研究課題/領域番号 |
20K08210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 晶論 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (60423795)
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研究分担者 |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | インフルエンザ / 抗ウイルス薬 / 薬剤低感受性ウイルス / 小児 / 抗インフルエンザ薬 / 薬剤低感受性インフルエンザウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
これまで福島県内で構築し多くの医療機関が参加できる独自の臨床ウイルス研究のシステムを利用し、抗インフルエンザ薬投与患者における薬剤低感受性変異株の出現率を明らかにするとともに、変異株が検出された症例と非検出例とで臨床経過を比較する。さらに、経時的に採取した臨床検体や分離されたウイルスの解析をすることで、抗インフルエンザ薬の臨床的な意義と適正な投与法について明らかにする。
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研究成果の概要 |
インフルエンザA型と診断され、オセルタミビルもしくはバロキサビルで加療を受けた小児を研究対象とした。経時的に鼻腔ぬぐい液を採取し、ウイルス学的解析および臨床経過について解析した。オセルタミビル投与群35例中3例(8.6%)で薬剤低感受性変異株が検出された。バロキサビル投与群38例中12例(31.6%)で、バロキサビル低感受性変異株が検出された。特にH1亜型よりもH3亜型で変異株の検出率が高かった。これら変異株が検出された症例では、感染性ウイルス排泄時間と有症状時間は遷延することが示された。小児ではバロキサビル投与後の変異ウイルス出現に関し今後も監視を続ける必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬であるバロキサビルは、その作用機序から既存のノイラミニダーゼ阻害薬と比較し、投与直後のウイルス量を抑制できる。しかし、小児では、A型インフルエンザ、特にA/H3亜型ウイルス感染患者にバロキサビルを投与すると薬剤低感受性変異株が高率に選択されることが示された。このバロキサビル低感受性変異株が検出された症例では非検出例よりも感染性ウイルス排出時間が有意に遷延し、症状改善後も変異ウイルスによる感染伝播の可能性が示された。本研究により、小児インフルエンザ患者に対する抗インフルエンザ薬の選択基準について提案できたことの社会的意義は大きい。
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