研究課題/領域番号 |
20K08215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 北里大学 (2022) 慶應義塾大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
落合 大吾 北里大学, 医学部, 教授 (80348713)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脊髄髄膜瘤 / 肝細胞成長因子 / 二分脊椎症 / ヒト羊水幹細胞 / 胎児治療 / 間葉系幹細胞 / HGF |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄髄膜瘤は先天性疾患の1つであり、胎児期に羊水中に露出した脊髄が損傷し神経障害を引き起こし、重篤な後遺症を来す。胎児期に病態が進行するため胎児治療が検討されているが、現在まで確立されていない。 我々はこれまでに、羊水幹細胞が肝細胞増殖因子を分泌し脊髄を保護・再生することを世界で初めて見出した。 そこで、本研究では、脊髄髄膜瘤モデルラットに幹細胞ではなく、HGF蛋白質を投与し治療効果を検討する。
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研究成果の概要 |
脊髄髄膜瘤モデルラットの新規治療法の開発のため、成人の脊髄損傷で実績のある肝細胞成長因子(HGF)の羊水腔内投与と局所投与を行った。羊水腔内投与では、十分な治療効果が得られなかったが、病変部近傍に対するHGFの局所投与により、脊髄神経の炎症性サイトカインの発現量が低下し、一定の治療効果が示唆された。 また、脊髄髄膜瘤モデルラットから脊髄神経のみを摘出する新たな手技を開発した。従前は、病変部から摘出していたため、周辺支持組織がコンタミネーションしていた可能性があった。しかし、本法は頭側から確実に引く抜くことができ、かつマイクロサージャリーのような特殊な器具を必要としないため、より簡便である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊髄髄膜瘤は確立された治療法がない周産期難治性神経疾患であり、新たな治療法の開発が急務である。脊髄損傷に有効であるHGFを動物モデルに投与したところ、炎症性サイトカインの発現量が低下した。これによりHGFが脊髄髄膜瘤に対して有効である可能性が示唆されたが、他の因子については十分な効果が認められなかったため、至適投与量・投与間隔のさらなる検討が必要である。 そのためには、脊髄髄膜瘤モデルラット胎仔から脊髄神経のみを確実に摘出する手術法が必要であるが、本研究を通じて安定した手技の確立に成功した。
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