研究課題/領域番号 |
20K08219
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
池住 洋平 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (70361897)
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研究分担者 |
長尾 静子 藤田医科大学, 病態モデル先端医学研究センター, 教授 (20183527)
熊谷 直憲 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40400329)
山田 剛史 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90601922)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 慢性糸球体腎炎 / 慢性腎臓病 / 活性化マクロファージ / M2型活性化マクロファージ / 線維化 / 間質線維化 / マクロファージ / chronic kidney disease / macrophage / M2-macrophage / children |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、全ての慢性腎臓病(CKD)の発症・進行過程で普遍的に認められる腎組織への マクロファージ(MQ)浸潤について、特に末期腎不全の終末病理像としてみられる糸球体硬化なら びに間質線維化などの慢性病変の形成に特異的に関わるM2型活性化MQに焦点をあて、MQを 介した慢性病変形成の分子メカニズムを明らかにするとともに、その制御法を確立することを目 的とする。これにより、社会問題となっている末期腎不全患者の増加に歯止めをかける有効な CKD治療法を開発することを意図するものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、全ての慢性腎臓病(CKD)の終末病理所見として普遍的に認められるる糸球体硬化および間質線維化といった慢性病変の形成に関わるM2型活性化マクロファージ(M2)を同定し、その詳細な機能解析および制御法の確立を目的として検討を行った。 その結果、本マクロファージ群はCKD治療に汎用されるステロイドによりむしろ活性化し、抗炎症性因子の発現により腎炎の終息に貢献する一方で、同時に線維化促進因子の発現による慢性病変の進展にも関わることを明らかにした。多剤併用療法としてステロイドと併用されるミゾリビンなどの一部の免疫抑制薬にはM2の寿命を短縮し、慢性病変の進展を軽減する作用を有することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国の慢性腎臓病(CKD)による透析患者数は増加の一途をたどっており間もなく35万人に達する。本研究は全てのCKDの進展過程で認める腎線維化に関わるマクロファージ(MQ)群の同定とその機序の解明および制御法の確立を目的としたものである。今回の研究により腎組織の線維化に関わるMQ群としてCD163陽性M2型活性化MQ群を同定したこと、およびその制御を可能とする治療薬の一つを見出しこと、またCKDの重要な要因となる慢性糸球体腎炎の治療薬として汎用されるステロイド薬のMQを介した組織線維化への関与を明らかにしたことは、CKDの増加に歯止めをかける上で重要かつ意義ある発見といえる。
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