研究課題/領域番号 |
20K08224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
中山 敦雄 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 細胞病態研究部, 部長 (50227964)
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研究分担者 |
松木 亨 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 細胞病態研究部, 主任研究員 (90332329)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レット症候群 / 遺伝子治療 / MECP2 / モデルマウス / オリゴデンドロサイト / Mecp2 / AAVベクター / Rett症候群 / マウスモデル / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
Rett症候群は原因遺伝子が判明している発達症・知的障害の中では比較的頻度が高く、国内にも多くの患女児が存在する。近年他の遺伝子疾患で成果を上げている遺伝子補充療法による症状の改善や進行の抑制が期待されているが、原因遺伝子産物(その遺伝子を元に作られるタンパク質)の機能が非常に多岐におよび、また複雑でもあるために、単純な補充療法で予測通りの効果が得られるか、また予想できない副作用が起きないかといった懸念が残っている。本研究ではこの原因遺伝子産物の機能の中でRett症候群の症状に特に関連が大きいと考えられる部分に焦点を絞り、遺伝子治療の新しい標的を動物実験で探る。
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研究実績の概要 |
レット症候群遺伝子治療の実現に向けて、当初はレット症候群の原因遺伝子MECP2におり発現が制御されるmiR-199aの補充によりモデルマウス(Mecp2ノックアウト(KO)マウス)への治療効果を検討する計画であった。しかし、予備実験によりMecp2自体のプロモーターで駆動されるMecp2発限ベクターの導入しても、このモデルマウスでは治療効果が見られず生後5~6週程度でマウスがほぼ全て死に絶えた。 このため当初の計画を修正し、Mecp2の発現を適切に制御しMecp2KOマウスの寿命を伸ばすことが可能なプロモーターを検討することとした。我々はMecp2KOマウスが神経症状を示す以前の生後6週まで死亡すること、オリゴデンドロサイトでのMecp2の重要性が報告されていること(Nguyen et al, J Neurosci 2013, Sharma et al, J Mol Neurosci 2015)から、Mecp2KOマウスを延命させるためにオリゴデンドロサイトでのMecp2発現回復が延命効果をもたらすとことを期待し、そのための遺伝子治療ベクターの構築と効果判定を行うこととした。 上記目的のためにオリゴデンドロサイトとシュワン細胞に高発現する2',3'-Cyclic Nucleotide 3'-Phosphodiesterase (CNP)のプロモーターに着目し、このプロモーターでMecp2を駆動するアデノ随伴ベクターを作成し、経静脈投与により効果を検討した。このベクター投与により容量依存的にMecp2KOマウスの延命効果が見られ、高濃度でこのベクターを投与したマウスは生後10週以降まで生存した。ただし筋力の低下といった症状は出現したため、神経症状を完全に解消することはできなかった。
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