研究課題/領域番号 |
20K08225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
植松 有里佳 (沼田有里佳) 東北大学, 大学病院, 助教 (70735779)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 先天性大脳白質形成不全症 / Pelizaeus-Merzbacher病 / 末梢神経障害 / 髄鞘化培養モデル / 髄鞘化 / PLP1 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性大脳白質形成不全症の中で最も頻度の高いPelizaeus-Merzbacher病は、中枢神経の髄鞘を形成するオリゴデンドロサイトの膜タンパク質であるPLP1の遺伝子変異が原因だが、末梢神経障害を合併するサブタイプがある。PLP1遺伝子の発現は、従来末梢神経系では極めて低いとされていたが、末梢神経が髄鞘化する過程では、PLP1遺伝子の発現が増加しており、末梢神経の発生過程では、PLP1遺伝子が何らかの機能的意味を持つ可能性を見出した。本研究では、先天性大脳白質形成不全症に伴う末梢神経障害の病態解析を行うこと及び、髄鞘化障害を改善する可能性がある薬剤を選出することを目指す。
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研究成果の概要 |
先天性大脳白質形成不全症の中でも最も頻度の高いPelizaeus-Merzbacher病(PMD)の中で、PLP1ナンセンス変異によるPMDでは、末梢神経障害を認める。ラットの胎児の後根神経節由来の髄鞘化培養モデルにおいてレンチウイルスベクターを用いてPLP1を機能喪失させ、免疫染色すると、髄鞘化のマーカータンパク質であるMBPの染色性が低下していることが確認でき、この培養系がPLP1遺伝子のナンセンス変異に伴うPMDのモデルになりうる可能性が示唆された。この培養系はCharcot Marie Tooth病のモデルマウスでも髄鞘化障害を再現できたため、多くの疾患に応用できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PLP1遺伝子のナンセンス変異に伴うPMD軽症型では、末梢神経障害が生じることは知られている。末梢神経系の髄鞘を形成するシュワン細胞において、PLP1の発現は極めて少ないとされているが、PLP1が末梢神経の髄鞘形成において、どのような生理的機能を持ち、その機能喪失により、なぜ特異的に末梢神経障害を引き起こすのか、その機序は、全く明らかにされていない。この培養モデルが確立することで、末梢神経におけるPLP1の機能などが解明できる可能性がある。また簡便に作成できる培養モデルであることから今後創薬研究にも貢献できる可能性がある。
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