研究課題/領域番号 |
20K08227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
齋藤 章治 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (10623762)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リポソーム / mRNA医薬 / Caspase 9 / アポトーシス / 遺伝子治療 / ナノ粒子 / mRNA医薬 / 自殺遺伝子 / 乳がん / AYA世代がん / 小児がん / 新規がん治療法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ナノ粒子を利用した薬剤デリバリーシステム(DDS)が注目されている。標的病変に優先的に集積する傾向を生かして、安全かつ有効に薬剤の効果を引き出すことが可能となってきた。われわれは、腫瘍細胞の細胞膜の特異性に注目することで、腫瘍細胞に優先的にとりこまれ集積されるナノ粒子を開発した。本研究では、このナノ粒子に治療遺伝子を搭載し、腫瘍細胞内で治療遺伝子を発現させることで、腫瘍細胞の遺伝子を改変し特異的な抗腫瘍効果をもたらす、革新的がん治療法の開発を目的としている。最終的には、この治療技術を用いて、難治性小児・思春期・若年成人がんの治療成績向上に貢献することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、腫瘍指向性脂質ナノ粒子(LNP)と誘導性カスパーゼ9(iC9)mRNAを組み合わせて、難治性がんに対するの新規治療法を開発することを目的とした。LNPの抗腫瘍効果は、MDA-MB231、SKBR3、MCF-7の3つの乳がん細胞株で検証した。iC9 mRNAを内包したLNP(iC9-LNP)は、CID存在下において、in vitroで3つのがん細胞株すべてに対して細胞傷害活性を示した。この治療法に対する感受性はがん細胞株間で不均一であり、BAX/Bcl-2比がこの違いと関連している可能性が示唆された。本遺伝子治療法は、難治性がんの治療における有望な代替手段となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、難治性乳がんに対する、腫瘍指向性脂質ナノ粒子(LNP)と誘導性カスパーゼ9(iC9)mRNAを組み合わせた新規遺伝子治療法の開発に成功した。本研究では乳がんを対象に治療効果を検証したが、本遺伝子治療法は、理論的にはがん種によらず有効性が示せるため、さまざまながん種に対する治療法に応用できる。また、アポトーシス関連の解析を行ったところ、乳がんにおいてはより悪性度の高いがん種において感受性が高いことを示した。このため、本疾患は難治性がんに対する有望な治療法として応用できる可能性がある。
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