研究課題/領域番号 |
20K08237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
薮内 智朗 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60791936)
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研究分担者 |
張田 豊 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10451866)
神田 祥一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60632651)
服部 元史 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50192274)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膜性腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
膜性腎症は、糸球体基底膜上皮下に免疫複合体が沈着し補体の活性化により惹起される疾患である。長らくその原因となる抗原は不明であったが、近年成人の特発性膜性腎症の原因となる二つの抗原が発見され、特異的な治療に向け臨床的取り組みが進みつつある。申請者らはこれまでに小児期に発症する膜性腎症では成人の膜性腎症と異なる病因が関与することを明らかにしてきた。 本研究では候補分子及びそれに対する自己抗体について検討を進め、小児膜性腎症の原因を確立する。本研究の成果は、病因の解明だけでなく、抗体価による病勢モニタリングや特異的治療法の開発に直接つながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究では小児膜性腎症患者血中に存在する自己抗体が反応する抗原を同定することを目的とした。プロテインアレイを用いて、小児膜性腎症患者とコントロールの血清を用い、患者血清中に含まれる抗体を網羅的に解析した。 その結果小児膜性腎症患者のIgG4陽性群、IgG3陽性群でそれぞれ60個をこえる特異的自己抗原候補、及び両群に共通の自己抗原を同定した。得られた候補分子からは既知の原因とは異なる発症機序が示唆された。抗原候補には糸球体上皮細胞に特異的に発現している分子が存在する。新規抗原候補として膜性腎症患者の血中および組織中での発現変動および候補分子に対する抗体価の変動について検討を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜性腎症患者の抗原として、近年PLA2R以外にも次々と新規抗原が同定されている(THSD7A, NELL1, SEMA3B, PCDH7, HTRA1, EXT1/EXT2, NCAM1, FAT1, NDNF等)。これらの多くの解析では患者の腎組織において原因となる抗原が増加しているという変化をスクリーニングに使用している。本研究では組織ではなく血中の自己抗体をスクリーニングするため、既存の研究で検討されていなかった情報を捉えられていると考えている。また疾患群で複数の抗原に対する抗体が検出されることから、エピトープスプレディングの可能性についても検討する必要があると考えられた。
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