研究課題/領域番号 |
20K08243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
竹島 泰弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40281141)
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研究分担者 |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10596042)
下村 英毅 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30441273)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 筋ジストロフィー / 血管作動性因子 / スプライシング / アンチセンスオリゴヌクレオチド / 血管内皮増殖因子 / 分子治療 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)に対し、ジストロフィン遺伝子のスプライシングを制御するエクソンスキッピング誘導治療の有効性を明らかにした。しかし、特定の遺伝子変異を対象とした治療であるため、新たな治療戦略が切望されている。 近年、血管作動性因子がDMDの病態に大きく関与していること、さらに、これらの因子には作用が異なる多くのスプライシングアイソフォームが存在することが報告されている。本研究では、血管作動性因子における筋再生促進作用に関与するスプライシングアイソフォームを明らかにし、そのアイソフォーム優位にスプライシングを制御する治療法の検討を行う。
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研究実績の概要 |
申請者らは、Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)に対し、ジストロフィン遺伝子のスプライシングを制御するエクソンスキッピング誘導治療の有効性を明らかにした。現在、世界各地で治験が実施され、その一部はすでに治療薬として承認されている。しかし、特定の遺伝子変異を対象とした治療であるため、より多くのDMD症例を対象とした新たな治療戦略が切望されている。近年、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGF受容体、一酸化窒素合成酵素などの血管作動性因子がDMDの病態に大きく関与していることが注目されている。さらに、これらの因子には多くのスプライシングアイソフォームが報告されている。申請者は、これらの血管作動性因子の選択的スプライシングが病態に関与し、さらに、そのスプライシングを制御することにより病態を改善し得る可能性を着想した。 本研究では血管作動性因子スプライシングアイソフォームの病態への関与を解明する。さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS-oligo)によりこれらのスプライシングを制御する治療法の検討を行う。 2022年度は、前年度に引き続き、DMD症例におけるmRNAのサンプリングを行った。また、VEGFスプライシングアイソフォーム解析系の構築を継続している。VEGF-Aにはスプライシング型により、VEGF-A 121, 165, 189などのアイソフォームが存在している。reverse transcription (RT)-PCR法により、これらのアイソフォーム解析系を構築するとともに、エクソン8のスプライスアクセプターサイトの異なる2つのアイソフォーム、165aと165bなどのアイソフォームを同定し得る系の構築の検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
VEGF、VEGF受容体、一酸化窒素合成酵素などの血管作動性因子のスプライシング解析系を構築する必要がある。2022年度も前年度に引き続きVEGF-Aのスプライシングアイソフォーム解析系の構築を行っているが、スプライシングアイソフォームが多岐にわたり、各アイソフォームを解析する系を確立する必要があるために、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
VEGF-A、VEGF受容体、一酸化窒素合成酵素などの血管作動性因子のスプライシングアイソフォーム解析系を確立し、DMD骨格筋などにおける血管作動性因子のスプライシングアイソフォーム発現様式を明らかにする。さらに、病態との関連を検討することにより、各アイソフォーム意義を解明するとともに、AS-oligoによりスプライシングを制御する治療の検討を行う。
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