研究課題/領域番号 |
20K08248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
稲村 直子 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 細胞病態研究部, 主任研究員 (20397623)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | twitcher / オリゴデンドロサイト / ミエリン / miRNA / ライソゾーム病 / ライソソーム病 |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児期に進行性の脱髄を発症するクラッベ病(KD)の病態メカニズムについて、申請者らはKD疾患モデルマウスを用い、オリゴデンドロサイト(OL)の発達異常とOLの分化成熟に必要なAkt/mTORシグナルの活性低下を明らかにした。本研究ではAkt/mTORシグナルで制御されるOL分化関連マイクロRNAに着目し、KDに対するそれらの病態改善効果および作用機序を解析し治療法開発につなげることを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は主に以下の実験を行った。1)マイクロRNA発現によりtwitcherマウスオリゴデンドロサイト(OL)で変動する遺伝子をさらに探査するための網羅的解析、2)in vivoでのマイクロRNAの効果を調べるためのアデノ随伴ウイルスを用いたマウス脳内でのOL特異的なマイクロRNAの発現、である。 まず網羅的解析については、野生型マウスOL、twitcherマウスOL、マイクロRNAを発現させたtwitcherマウスOLをそれぞれサンプルとして用いRNA-seqを行った。変動遺伝子の条件として、野生型マウスOLに対してtwitcherマウスOLで増加/減少し、かつtwitcherマウスOLに対してマイクロRNAを発現させたtwitcherマウスOLで減少/増加する遺伝子を探索したが、それぞれの条件において変動遺伝子の数が少なかった。現在しきい値を変えるなど条件を変えてさらに解析を進めている。 次にアデノ随伴ウイルスを用いたマウス脳内でのOL特異的なマイクロRNAの発現では、OLにアデノ随伴ウイルスを最も発現効率良く導入する条件を求める条件検討を行った。方法として生後1週から5週までの様々な時期のマウスにOL特異的なマーカーであるヒト環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(hCNP)プロモーターでドライブされる蛍光色素ZsGreen1 に マイクロRNA をつないだアデノ随伴ウイルスベクターを眼窩静脈叢から投与し、ZsGreen陽性細胞の数により発現効率を調べた。その結果マウスの脳でミエリン形成が最も盛んにおこるとされる生後10日から2週前後に導入すると最も多くの発現細胞がみられた。この発現細胞のほとんどが成熟OLのマーカーであるCC1陽性であったので、OLにマイクロRNAを導入する最も発現効率の良い条件を得たと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
網羅的解析については、初年度に新型コロナウイルスの世界的流行によりサンプル調整に必要な試薬の供給が中断したことで遅れが生じ、その遅れの影響が残っていること、さらにデータ解析にも時間を要しているため。またマウス脳内でのマイクロRNAの発現の実験については、最も多くの発現細胞が得られる投与時期の条件検討に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
網羅的解析については変動遺伝子のしきい値を変えるなど条件を変えて解析する。また網羅的解析に詳しい新たな共同研究者から助言を得ているため、データ解析は今後順調に進むと思われる。マウス脳内でOL特異的にマイクロRNAを発現する実験では条件検討が終了したので、今後twitcherマウス脳にマイクロRNAを投与し脳内での効果を調べる。
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