研究課題/領域番号 |
20K08252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤井 克則 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (70344992)
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研究分担者 |
宮下 俊之 北里大学, 医学部, 教授 (60174182)
塩浜 直 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10737034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヘッジホッグシグナリング / Gorlin 症候群 / PTCH1 / ヘッジホッグ / 基底細胞癌 / 髄芽腫 / 基底細胞母斑症候群 / GLI1 / 創薬スクリーニング / 阻害薬 / Gorlin症候群 / 皮膚線維芽細胞 / 疾患iPS細胞 / 天然化合物ライブラリー / iPS |
研究開始時の研究の概要 |
ヘッジホッグシグナルは生物種間で保存された増殖経路で、その亢進はヒトで Gorlin 症候群(身体奇形)と癌発生を来す。この癌には皮膚癌と小脳腫瘍があるが難治で再発も多いため、特異的な経路阻害薬が待望されていた。我々は2017年に初めてGorlin症候群のiPS細胞を作製し、また2018年にmicroRNAを用いた新たな阻害経路を同定した。このことより今回天然化合物ライブラリーから得た候補薬剤を用い、ゲノム編集したiPS細胞を用いてヒトでの有効性を検証し、新たなヘッジホッグシグナル阻害法の開発をめざす。
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研究成果の概要 |
ヘッジホッグ異常症はヘッジホッグシグナル構成分子の異常により発症する疾患群である。今回ヘッジホッグの受容体PTCH1の変異で発症するGorlin症候群の患者細胞を用い、阻害薬は千葉大学薬学部石橋研究室の天然化合物ライブラリーを用い、Gorlin症候群患者由来皮膚線維芽細胞に対して48時間添加し、細胞を破砕してRT-PCRにより下流のGLI mRNAを測定することで阻害効果を判定した。効果判定には阻害剤として確立しているvismodegibとcyclopamineを用いて合計10種類の天然化合物を同定した。興味深いことに6種で共通の中心構造を有しておりこれが阻害効果を示していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘッジホッグシグナル異常症の効果的阻害薬は将来発症する癌の治療および予防に不可欠である。既存のvismodegibが粘膜症状や消化管障害のために臨床応用が滞る状況で、今回の新たな阻害薬の同定は今後の治療薬確立の第一歩となると考えられる。現在阻害効果の分子的部位の同定のため、PTCH1, SMO, GLI2,およびGLI3のmRA測定を行っており、vismodegibの抑制効果と比較することで臨床応用の可能性について検討している。本経路の異常で発症する基底細胞癌や髄芽腫の今後の治療に新たな展望を与えるとともに、将来のGorlin症候群を始めとする遺伝病治療の契機になることに異議深いと考えられる。
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