研究課題/領域番号 |
20K08254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
高島 茂雄 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 准教授 (50537610)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ペルオキシソーム / ペルオキシソーム形成異常症 / 極長鎖脂肪酸 / プラズマローゲン / PEX遺伝子 / ゼブラフィッシュ / HEK293細胞 / 分枝脂肪酸 / 先天代謝異常症 / 質量分析 / iPS細胞 / LC-MS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではヒト疾患「ペルオキシソーム形成異常症」発症因子の特定を行う。本疾患は細胞内小器官であるペルオキシソームの異常によって生じ、患者では脳の発生異常や腎臓 肝臓 網膜の変性、骨形成異常など多様な病態が生じる。患者ではペルオキシソームで代謝されるべき極長鎖脂肪酸やそれを含む脂質の量的変動が顕著に生じることから、それら代謝産物と病態発症との関連が疑われているが詳細は不明である。本研究計画では「ペルオキシソーム形成異常症モデル動物」「患者由来疾患iPS細胞」「網羅的脂肪酸測定法」の3つを利用して疾患特異的に変動する代謝産物の同定と病態発症への関与を検証し、本疾患の発症因子の特定を目指す。
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研究成果の概要 |
ペルオキシソーム形成異常症の様々な症状は、ペルオキシソームでの代謝産物の変動とそれに伴う遺伝子発現異常によって生じると考えられるが詳細は不明である。未解明の病態発症機構を明らかにすることを目的に本研究を行った。疾患モデルゼブラフィッシュを用いた解析から、疾患特異的に蓄積する脂肪酸分子種や、発現が変動する遺伝子群を明らかにした。疾患モデル細胞を用いた解析からは、軽症患者で見られるモザイクペルオキシソーム(細胞ごとのペルオキシソーム数の偏り)の原因がペルオキシソーム生合成と分解の周期的繰り返しによって生じることを明らかにした。本研究によって本疾患の病態発症メカニズムについて有用な知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペルオキシソーム形成異常症の病態発症機構は不明であり、本疾患の理解と治療法開発のためにもその解明は重要である。本研究によって、病態特異的に蓄積する脂肪酸種や症状につながる遺伝子発現変動が判明し、さらにモザイクペルオキシソームの生じるメカニズムも明らかになった。これらはヒト患者からは得られなかった知見であり、本疾患の理解をさらに深めるための大きな手掛かりになると考えられる。さらに本研究で用いた疾患モデルフィッシュと疾患モデル細胞は治療薬候補のスクリーニングにも有用であることから、将来的な治療法の開発にも貢献できると考えられる。
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