研究課題/領域番号 |
20K08255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
藤澤 泰子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (40402284)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 胎児期低栄養環境 / DOHaD / 精巣異形成症候群 / 男性不妊 / 胎生期低栄養環境 / 胎生期低アンドロゲン / 酸化ストレス / アポトーシス / 胎生期低栄養 / 胎児期低栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
母体の低栄養が原因の一つである胎児発育不全の児は、TDSのハイリスク群であることがわかっている。私たちは、胎生期の低栄養環境がTDSと完全に一致する病態を引き起こすことを明らかにしている。本研究によって、男性生殖系疾患の発症に出生前の栄養や代謝変動に制御されるエピゲノムが関与することが示されたならば、男性生殖系疾患に対する先制医療としての「妊娠時の適切な栄養」を提示する根拠の一つとなる。さらに疾患発症に関与するメタボライト(代謝物)が特定できれば、発症前の予防的介入法の探索へのステップとなりうる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、胎生期低栄養に起因する男性生殖器系疾患発症のメカニズムを解明することである。 野生型B6マウスによる母獣摂餌制限を行い、胎児期に低栄養環境におかれたオスマウスにおいて、胎児精巣でのテストステロン低下と生後6週での精子数の減少を明らかにした。 本年度行ったことは以下である。 1. 胎仔ラディッヒ細胞への栄養制限の影響に関する研究を継続した。胎仔型ライディッヒ細胞特異的にEGFP を発現するトランスジェニックマウス(Ad4BP/SF-1-EGFPマウス)を利用し、胎生期栄養制限マウスモデルの胎仔精巣からセルソーティングによりライディッヒ細胞を単離し、全ゲノムメチル化解析を行い、さらにマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析で有意に変動を認めた遺伝子におけるメチル化パターンの解析を進めている。 2. 胎児期の低栄養環境と生後の精子数低下との関連について、精巣生殖細胞におけるアポトーシス亢進が明らかになった(TUNNEL染色陽性細胞の増加)。その背景として、酸化ストレス亢進の関与が考えられたため(遺伝子発現パターン)、酸化ストレス関連マーカーの解析等を進めている。 3. 胎児期低栄養環境による男性生殖器系疾患発症が、遺伝的背景により促進されるかどうかを検証するために、性分化疾患モデルマウスであるMamld1 KOマウスを用いた母獣摂餌制限実験を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果により英語論文を発表した(Intrauterine Hyponutrition Reduces Fetal Testosterone Production and Postnatal Sperm Count in the Mouse. J Endocr Soc. 15;6(4), 2022)。 さらに以下の研究を進めている。 1胎児ライディッヒ細胞のメチローム解析 2性分化モデルマウスMamld1 KOマウスを用いた母獣摂餌制限実験 3酸化ストレス増強の評価とっそのメカニズムの解明。 以上より、研究は概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
さらなる研究の発展のために、以下の実験準備を行っている。 1性分化疾患モデルマウスの実験の展開(Mamld1KOマウスに加えて、Ad4BPKOマウス等) 2胎児期低栄養環境とその後の生殖機能を中心とした男性生殖器系の障害のメカニズム解明のためのin vitro実験の確立。具合的には、マウス精巣を用いた精巣再構築培養系による実験系を採用し、実験を開始している。 3低栄養環境と細胞内代謝について、細胞フラックスアナライザーによる解析の導入を試みている。
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