研究課題
基盤研究(C)
骨格の石灰化にはカルシウム、無機リン(Pi)、石灰化阻害物質のピロリン酸(PPi)が重要な役割を果たしているが、骨石灰化過程の調節機構は十分には明らかではない。骨石灰化に適切なPPi濃度、PPi/Pi比は明らかではなく、骨石灰化に関与する分子の全体像も解明されていない。さらに、骨石灰化の程度を反映するバイオマーカーや遺伝子発現プロファイルは存在しない。本研究では、骨石灰化に適切なPPi濃度、PPi/Pi比、骨石灰化関連新規物質、骨石灰化の程度を反映するバイオマーカーや遺伝子発現プロファイルを明らかにする。
リン酸は、骨形成に不可欠なミネラルである。しかし、リン酸が骨形成分化を促進する機構は十分には理解されていない。リン酸濃度に差を認めたβ-グリセロリン酸もしくは無機リン酸を含む培地を用いてヒト骨髄由来間葉系幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導した。本研究では、リン酸は間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化初期にWNT5b、WNT11、リン酸化c-Junの発現を上昇させ、非古典的Wntシグナル経路を活性化し、骨形成分化を促進することが明らかとなった。
骨の正常な発達・恒常性維持は人間の健康にとって重要であり、骨形成を担う骨芽細胞分化のメカニズムを探ることは、骨形成の生理や代謝性骨疾患の病態の研究に不可欠である。我々は、本研究でリン酸によって誘導される骨芽細胞分化の初期段階における非古典的Wntシグナル伝達経路の活性化の関与について示した。これらの知見は、骨形成分化におけるリン酸と非古典的Wntシグナル伝達経路の関連について新たな視点を提供する。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 5件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 1件)
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