研究課題/領域番号 |
20K08266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
水野 洋介 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (30406532)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 非コードRNA / マイクロRNA / エクソソーム / ミトコンドリア病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マイクロRNAと長鎖非コードRNA(以下、両者をまとめて非コードRNAと呼ぶ)に焦点を当て、ミトコンドリア機能に影響を与える細胞内の非コードRNAおよび細胞外の血中エクソソームに内包される非コードRNAを同定して、その作用機序を明らかにすることを目指す。ミトコンドリア機能を抑制させた細胞やノックアウトマウス血中エクソソーム内で発現変動する非コードRNAを同定し、ミトコンドリアに及ぼす影響を調べる。本研究で、非コードRNAを原因とする全く新しいミトコンドリア病発症メカニズムを突き止め、これらの分子を標的とする新たな診断法や治療法の開発につなげる事を目指す。
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研究実績の概要 |
ミトコンドリアの分裂や融合、エネルギー産生能やストレス制御に関わる遺伝子の機能を欠損・抑制した細胞ではミトコンドリア機能に関わる非コードRNAの発現量にも大きな変化が生じていると考えられる。このような非コードRNAを同定するため、ヒト培養細胞を用いてDNM1L, MFN2,p32遺伝子をRNA干渉法によりノックダウン、またCRISPRシステムによりノックアウトした細胞からミトコンドリアおよびミトコンドリア内膜内成分(マイトプラスト)を分画して全RNAを抽出した。得られたミトコンドリアRNAについて発現アレイを用いてmRNA、長鎖非コードRNA、マイクロRNA(miRNA)の発現量を定量した結果、ミトコンドリア関連遺伝子の機能を抑制させた場合に、その影響を受けて発現量が変化したミトコンドリアmRNA、長鎖非コードRNA、miRNAを検出することが出来た。また、ミトコンドリアの分裂や融合に関わる遺伝子を抑制することにより、共通して発現が変動する長鎖非コードRNAやmiRNAも複数検出することが出来た。この中に、ミトコンドリア機能を制御したり影響を及ぼし、ひいてはミトコンドリア病の発症要因にもなるRNAが含まれていると考えられる。実際にミトコンドリア関連遺伝子を標的対象の候補とするマイクロRNAも含まれていた。現在は引き続きミトコンドリア機能に関連すると考えられる候補となる非コードRNAについて、ミトコンドリア関連遺伝子との相互作用をしうる塩基配列・二次構造モチーフを検索し、細胞で発現亢進もしくはノックダウン、ノックアウト実験を実施し、実際のミトコンドリア機能との関連性を調べるための検証実験を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
学内での現在の所属部署にて研究体制及び実験機器利用環境の整備を行った。また新型コロナウイルス感染対策期間が明けた後の学内各種業務および対応する学生教育にエフォートを注いだため、研究の遂行が遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、昨年度までに一部遂行していた発現解析実験をより詳細に行うとともに、実際のエクソソームに含まれている非コードRNAについて発現解析を行い、エクソソームに含まれるミトコンドリア関連非コードRNAを探索すること、およびそのミトコンドリア機能への関連性の探索に注力する。特に、ミトコンドリア機能に関連すると考えられる新たな非コードRNAやマイクロRNAを実際に培養細胞にて発現亢進もしくはノックダウン、ノックアウトを行い、ミトコンドリア機能の変化を詳細に観察定量する。
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