研究課題/領域番号 |
20K08279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50644556)
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研究分担者 |
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
上村 顕也 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00579146)
浜本 義彦 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90198820)
横道 洋司 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20596879)
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研究期間 (年度) |
2024-01-17 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 偽性腸閉塞 / アカラシア / 慢性偽性腸閉塞 / シネMRI / 過敏性腸症候群 / 食道憩室 / Achalasia / 高解像度食道内圧計 / 小腸内細菌異常増殖症 / 脳腸循環 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管運動異常症の中の食道運動異常症・偽性腸閉塞症に対して、High-resolution manometryや独自開発したコンピュータ支援によるシネMRIの運動機能解析、内視鏡的食道筋層生検などによる局所の病理組織学的解析を行う。そして、超拡大内視鏡による消化管粘膜の観察や小腸細菌異常増殖の解析など総合的解析が可能な体制を整え症例を蓄積することで、消化管運動異常症と機能性消化管疾患の境界症例の“違い”を明らかにする。本研究により、将来的には消化管運動異常症を病態に基づく疾患概念に改編し、病態に基づく新規治療法の開発が期待される。
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研究実績の概要 |
シネMRIによる小腸運動能の解析を継続して行った。Mahalanobis距離を解析に組み合わせることで消化管運動能の評価を画像解像度の影響を受けず客観的行うことができた(特許出願中)。慢性偽性腸閉塞症(CIPO)においては腸管蠕動能の低下・腸管径の拡大から過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome: IBS)・健常者(Healthy control:HC)との鑑別は比較的容易であり診断のためのカットオフ値を設定することができた。一方、IBSにおいてはその腸管運動能は多岐にわたり、HCとのオーバーラップも多く認めたことから、運動能の評価には更なる工夫が必要と考えられた(論文投稿中、major revision)。我々の研究ではHCや非CIPO患者においては小腸運動能は個体差も大きいと考えられ(Tominaga, et al. Ann Transl Med. 2020)、これがオーバーラップの一因であると示唆される。小腸運動には蠕動運動・分節運動・振子運動があり内容物種類によりこれらが様々な割合で出現するがCIPO患者ではこれらすべてが低下していると考えられる。一方で、健常者・非CIPO患者においてはそれぞれ種類の運動能の評価が必要と考えられ、そのためには長時間の運動パターンの観察・解析する必要があり更なる研究が必要である。 また、食道アカラシアなどの食道運動異常症においては食道憩室の合併を認めることがあるが、その頻度は約3.2%であった。これら疾患においては下部食道括約筋の弛緩不全が食道憩室発生の原因であったため内視鏡的筋層切開術(POEM)が有効であった。また、食道憩室における食道運動異常症の合併頻度は66.6%であり、食道憩室の多くは食道運動異常症によることが確認できた。
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