研究課題/領域番号 |
20K08282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
梅村 武司 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30419345)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | KIR / HLA / HCC / HBV / HCV / PBC / AIH |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では難病指定されている自己免疫性肝炎と原発性胆汁性胆管炎についてHLAクラスⅠ抗原とナチュラルキラー(NK)細胞の受容体であるKiller cell Immunoglobulin-like Receptor遺伝子サブタイプを次世代シークエンサーで超高解像度解析を行うことで構造変化・変異を明らかにすることと、NK細胞内のシグナル伝達機構を解析することで、疾患発症・病態進展との関連性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度はIgG4関連疾患の一つであるIgG4-related periaortitis/periarteritisの発症に関連する遺伝学的検討を行った。75名でゲノムワイド関連解析を施行した際にインターロイキン1受容体タイプ1(IL1R1)の関連性が示唆されたため、IL1R1遺伝子の8つのSNPsについて解析を行った。6つのSNPsのマイナーアレルがIgG4-related periaortitis/periarteritisで有意に高率であることを明らかにした。(Umemura et al. Gene 2022) 本結果に関連して血清中のサイトカインに注目をして検討を行うとIgG4-related periaortitis/periarteritis合併例では血清IgG4値は高値であるが(p=0.0074)であったが血清IL-1β 値は有意に低値であった(p=0.00037)。可溶性IL-1R2 値はIgG4-related periaortitis/periarteritis合併例と健常者群で非合併例より有意に高値であることも明らかにした(p=0.00001)。以上より、IgG4-related periaortitis/periarteritis はIgG4関連疾患における炎症プロセスの活発な局面を表現している可能性が示唆された。(Ashihara et al. Adv Med Sci 2022) B型慢性肝炎325名、C型慢性肝炎799名、健常対照群 355名についてHLA-G遺伝子SNPsと14bp Ins/Del多型を解析したところ、B型慢性肝炎では健常群より14 bp Insアリル(27.1% vs. 20.6%、OR 1.43、P=0.005)およびrs1063320 Gアリル(OR 1.78、P<0.001)が高頻度だった。rs1049033Tアリルが優性モデルにおいて、年齢や性別から独立してHCC発症と有意な関連を示した(OR 1.95、P=0.04)。rs1736933Aアリルが劣性モデルで年齢から独立してHBs抗原陰性化と有意な関連を示した(OR 3.23、P=0.003)。以上の結果からB型慢性肝炎において14bp Ins/Delとrs1063320がHBV感受性に、rs1049033がHCCに、またrs1736933がHBs抗原陰性化に関連することが示唆された。(Okumura et al. Human Immunology 2023 in press)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
KIR/HLAと自己免疫性肝炎、C型肝炎、B型肝炎の関連性については本課題で既に明らかにした。 残る課題は原発性胆汁性胆管炎におけるKIR/HLAの関連性についてを明らかにすることである。
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今後の研究の推進方策 |
原発性胆汁性胆管炎患者は400名の患者、325名の健常人のデータを合わせて疾患感受性、病態予後との関連性について詳細な解析を施行中であり、本年度中に論文発表を行う予定である。
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