研究課題/領域番号 |
20K08300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
濱田 晋 東北大学, 大学病院, 助教 (20451560)
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研究分担者 |
正宗 淳 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90312579)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膵癌 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
我々は先行研究で、膵特異的変異K-ras発現に酸化ストレス応答の中核分子であるNrf2の恒常的活性化が加わることで膵実質の進行性萎縮を来すことを示した。この現象を規定する細胞内代謝の変化を解明し、膵癌細胞においてもNrf2持続活性化を誘導することで細胞死が誘導される、いわば「アキレス腱」を見出すことができれば、全く新しい膵癌治療への道が開ける。本研究の目的は変異K-ras発現とNrf2持続活性化により誘導される細胞死促進因子を解明し、ヒトおよびマウス膵癌細胞における新たな細胞死誘導法の開発により膵癌新規治療の基礎を築くことである。
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研究成果の概要 |
膵特異的変異K-ras発現とNrf2持続活性化がもたらす細胞死のメカニズムを解明し、新たな膵癌治療標的を見出すために検討を行った。恒常的にNrf2活性化を来した膵癌細胞株において、グルタミナーゼ阻害剤投与により細胞生存率が有意に低下することを確認した。Nrf2の恒常的活性化により多数のSLCファミリー遺伝子の発現増加を認めた。遺伝子改変膵癌モデルマウス、膵炎モデルマウスを用いてNrf2関連分子の発現変化を免疫染色にて確認し、活性化の指標となる分子を同定した。膵癌細胞においてはアミノ酸代謝が、間質細胞においてはNrf2阻害により抑制されるアミノ酸代謝以外の癌促進作用が治療標的と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌はその殆どがK-ras変異を有しているにも関わらず、K-rasを標的とした治療は有効治療となっていない。我々は先行研究で、膵特異的変異K-ras発現に酸化ストレス応答の中核分子であるNrf2の恒常的活性化が加わることで膵実質の進行性萎縮を来すことを示した。この現象を規定する細胞内代謝の変化を解明し、膵癌細胞においてもNrf2持続活性化を誘導することで細胞死が誘導される、いわば「アキレス腱」を見出すことができれば、全く新しい膵癌治療への道が開ける。本研究の目的はヒトおよびマウス膵癌細胞における新たな細胞死誘導法の開発により膵癌新規治療の基礎を築くことである。
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