研究課題/領域番号 |
20K08303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
新田 沙由梨 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (20527056)
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研究分担者 |
朝比奈 靖浩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座教授 (00422692)
柿沼 晴 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30372444)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝癌 / HBV integration / 肝細胞癌 / B型肝炎 / HBV / integration / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎による肝癌は、ウイルスDNAのホストゲノムへの挿入 (integration)に起因する発癌機序があり、その場合肝炎・肝線維化が進行していない若年から発生し得ること、他の肝癌と比し予後が悪いことなどが大きな問題である。本研究では、ヒトiPS細胞に遺伝子編集技術を用いてHBVゲノムをホストゲノムの標的遺伝子特異的に挿入することにより、HBV integrationモデルを構築し、integrationによる発癌機構の解明、genotypeによる発癌頻度の差異に関わるメカニズムの解明を目的とする。これらの研究により、HBV肝癌の病態解明のみならず、発癌メカニズム特異的な肝癌治療戦略の確立、および新規治療薬開発に寄与しうる学術的基盤の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
B型肝炎ウイルス (HBV)感染では、ウイルスゲノムがヒトゲノムに組み込まれるintegrationが肝癌発生に関与していると考えられている。本研究では、ヒトiPS細胞のTERT promoter領域にHBVゲノムの一部を挿入したintegrationモデル細胞と、TERT領域にHBV integrationを認める肝癌検体を用いて検討を行い、integrationによりTERTの発現が上昇すること、TERTとHBV両方の配列を含む融合転写産物の発現を認めることを示した。また細胞分裂や細胞周期、細胞接着やアポトーシスなどに関連する遺伝子発現の変動を認め、肝発癌に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝癌の主な成因の一つであるB型肝炎ウイルス(HBV)感染ではウイルスゲノムの一部がホストゲノムへ挿入(integration)されることが知られており、発癌に関与していると考えられている。HBV integrationは肝癌の若年発生や予後不良、非肝硬変での発生に関与していることが示唆されている。本研究では、HBVのintegrationによって特徴的に発現する転写産物や発現に変化を認める遺伝子の一部を同定した。これはHBV integrationが関与する肝癌の発生メカニズムを明らかにするための知見となると考えられ、更なる研究の遂行により新たな肝癌治療開発につながることが期待される。
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