研究課題/領域番号 |
20K08318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岡田 季之 久留米大学, 医学部, 助教 (10607328)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / AID / 異所性発現 / AICDA / DSS / 大腸上皮細胞 / 上皮再生 / 細胞外マトリックス / 大腸炎 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性の慢性炎症疾患である潰瘍性大腸炎とクローン病患者の寛解状態を長く維持するためには『粘膜治癒させることが重要』であるが、粘膜の創傷治癒過程に関する理解が不十分である。近年では、基底膜側に存在する間質細胞が腸管上皮幹細胞の恒常性維持と上皮構造のリモデリングに重要な事が報告された 。そこで本研究では、炎症条件下に大腸上皮細胞で異所性発現するActivation-Induced cytidine Deaminase (AID)が、ECM関連分子の発現調節を介して、損傷した大腸粘膜の創傷治癒に重要な間質細胞の種類(バランス)を変化させている可能性について検討を行う。
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研究成果の概要 |
炎症によって大腸上皮細胞に異所性発現するAIDの役割を明らかにするために、DSS誘発大腸炎モデルを野生型およびAID欠損マウスに用いて検討した。大腸炎の誘導に伴い減少した体重の回復がAID欠損マウスにおいて遅延すること。そして回復期に移行した野生型とAID欠損型マウスの大腸上皮細胞において、細胞外マトリックス関連分子の発現が有意に変化するだけでなく、大腸組織の疾患スコアが野生型と比してAID欠損マウスにおいて有意に高いことが分かった。またAIDを安定発現させた細胞株を用いた実験では、AIDが標的遺伝子に結合することでDNAの脱メチル化を誘導し、その遺伝子の発現を調節する可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果より、炎症に伴って大腸上皮細胞に異所性発現するAIDの役割を理解することは、大腸粘膜を治癒(創傷治癒過程)させるためのメカニズムを理解するための一助になることが期待できると考えられる。さらに先行研究では異所性なAIDの発現は、上皮細胞の悪性転換に関与する可能性が報告がされていることからも、慢性炎症による発がん機構の解明にも貢献できる可能性が期待される。
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