研究課題/領域番号 |
20K08319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
落合 頼業 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (90816026)
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研究分担者 |
泉谷 昌志 東京大学, 医学部附属病院, 届出診療員 (90532739)
筆宝 義隆 千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究所長 (30359632)
井下 尚子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20300741)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オルガノイド / 大腸癌 / 遺伝子変異 / 薬剤感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸がんは近年、増加傾向であり、進行がんで発見されることも多い。治療ガイドラインでは多くの化学療法の選択肢が挙げられているが、ほとんどの遺伝子変異と薬剤感受性の関連性は確立されていない。その背景には大腸がんの遺伝子変異数は非常に多く、多種多様であるため、薬剤選択の指標が不足していると言える。今後は個々の遺伝子変異に基づく化学療法の最適化(オーダーメイド医療)が課題である。本研究はマウス細胞の3次元培養(オルガノイド培養)による発がんモデルを用い、遺伝子変異を選択的に導入した複数の大腸がんモデルを用いて遺伝子変異と薬剤感受性を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、大腸がんにおいて個々の遺伝子変異に基づく化学療法の最適化(オーダーメイド医療)を実現するため、ApcやKras, p53など主要なドライバー遺伝子を選択的にマウス由来腸管オルガノイドに導入し、ヌードマウスへの皮下移植によって得られた複数の大腸がんモデルを用いて遺伝子変異と薬物感受性を検証することを目的とする。 本研究の意義は遺伝子変異が厳密にコントロールされた大腸がんモデル作成を可能とし、大腸がんに対する化学療法の選択に有用な研究資源としての活用が期待できることである。 本研究期間は4年間であり、初年度には研究環境の整備を行い、Kras/p53に変異のある大腸がんモデルを用いた薬剤スクリーニングを行い、計368種類の薬剤ライブラリーより、Positive control (Gemcitabine)と同等あるいはそれ以上の発育阻害率を示す、計19種類の薬剤を同定した。2年目には、抽出された計19種類のうち、上位16種類を候補薬剤として検討を行った。各薬剤に対し、それぞれ3回薬剤感受性試験を施行して追加のValidationを行った。その結果から、上位8種類 (Bortezomib, Leptomycinなど)を絞り込んだ。更に上位8種類の薬剤に関して、皮下腫瘍由来・皮下移植前・正常のオルガノイド、それぞれにおいて薬剤感受性試験を行い、効果のパターン分類を行うことで、各薬剤の特性を検証した。 3年目となる本年度はこれまでにKras/p53に変異のある大腸がんモデルに対して施行した薬剤スクリーニングと、候補薬剤の検証に関する結果をまとめ、学会にて報告した。また遺伝子変異が異なる大腸癌モデルとしてAPC/p53に変異を有するオルガノドに対する薬剤感受性の検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は主にこれまでに施行したKras/p53モデルの実験結果のまとめと報告を行った。APC/p53に変異を有するオルガノイドでの薬剤感受性試験を開始したばかりであり、その検討にある程度時間を要すると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である4年目にはAPC/p53に変異を有するオルガノイドに対する薬剤感受性試験を行うとともに、Kras/p53モデルで得られた結果との比較検討を行う。またそれらに関する論文を作成する予定である。
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