研究課題/領域番号 |
20K08322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
嘉数 英二 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (20509377)
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研究分担者 |
濱田 晋 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20451560)
岩田 朋晃 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30803647)
井上 淳 東北大学, 大学病院, 助教 (60455821)
小暮 高之 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70400330)
二宮 匡史 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (70583938)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | NAFLD / NASH / アミノ酸 / VLDL / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 遊離アミノ酸 / 酸化ストレス / 非アルコール性脂肪性肝炎 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の病態の中心は肝細胞脂肪変性によるアポトーシスと炎症細胞浸潤である。門脈血から肝臓に流入した過剰な糖質・脂質は肝細胞に環境ストレスを与える。これまで門脈血類似3次元潅流培養法を用いて門脈血で低下した遊離アミノ酸の中でL-MethionineとL-Tyrosineの低下が脂肪酸による肝細胞内酸化ストレス・小胞体ストレスを増強すること、更に動物実験では高脂肪・Met制限Tyr欠損食餌でマウスを飼育すると極めてNASHに近い表現型を得られることを明らかにした。本研究は遊離アミノ酸代謝と肝細胞内ストレス応答に注目しNASH発症メカニズムにせまる。
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研究成果の概要 |
高脂肪・メチオニン(Met)制限・チロシン(Tyr)欠乏食を与えたマウスでは、肝臓でNrf2の核移行、成熟VLDLの放出、肝臓内フマル酸レベルが低下しNAFLD様病態を示した。肝臓特異的Keap1欠損マウスではこれらの現象が改善し このマウスの肝オルガノイドでも、MetとTyrの欠乏で惹起される活性酸素種(ROS)と脂肪滴が抑制された。 Nrf2誘導剤であるフマル酸ジメチルは、in vitroにおいて肝細胞内のフマル酸を増加させ脂肪変性を改善した。 これらの結果からアミノ酸であるMetおよびTyrの欠乏は、Keap1-Nrf2システムを介して脂肪肝を誘発することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで糖・脂質代謝からNAFLD/NASHの病態を解析した報告は多く存在するが、本研究はアミノ酸代謝とNAFLD/NASHの病態を説明した新しいアプローチの研究である。本研究により過剰な糖質・脂質の摂取だけでなく一部のアミノ酸の欠乏がNASH病態に関与していることが明らかとなった。糖尿病やNAFLD.NASHの食事療法として低糖質・低脂肪・高たんぱく食が推奨されているがその根拠となる研究成果である。
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