研究課題/領域番号 |
20K08329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 (2022) 京都大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
高橋 健 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 腫瘍研究部, 研究員 (60594372)
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研究分担者 |
石井 健 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00448086)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん免疫 / 自然免疫 / TLR9 / 光免疫療法 / ワクチン / 膵癌 / 消化器がん |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、腫瘍局所の自然免疫活性化(Local Innate Immune Activation: LIIA)を最大化すべく、ナノ粒子TLR9リガンド K3-SPG を用いたin situワクチンの開発を目指してきた。一方、光免疫療法は腫瘍局所の癌抗原放出効果(Local Tumor Antigen Release: LTAR)に優れ、さらに経静脈投与(iv)されたナノ粒子の腫瘍部への集積を亢進させる。本研究では、光免疫とK3-SPG-ivの併用によりLTARとLIIAを最大化し、病変への光照射のみで穿刺を要さない、簡便、安全、かつ効果的な膵癌に対するin situワクチンの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究はナノ粒子TLR9リガンドK3-SPGによるin situ vaccine (K3-SPG-ISV)にCD44を標的とする光免疫療法(photoimmunotherapy: PIT)を組み込み、主に膵癌モデルマウスでこの併用療法の有用性を検討した。K3-SPG-ISV/NIR-PITは相乗的かつ全身性の抗腫瘍効果を示し、免疫記憶を誘導した。また、PD-1阻害療法の効果を増強した。腫瘍内のIFN関連遺伝子の発現上昇と細胞傷害性CD8 T細胞の関与が確認された。本研究の結果、K3-SPG とPITを併用する新たなISV治療戦略の有用性が示され、新たながん免疫療法の開発に繋がると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は消化器癌のなかでも患者数、年間死亡数ともに多く、治療開発のニーズが高い。免疫療法は化学療法と異なり免疫記憶により治療終了後も長期にわたる 再発抑制効果が期待できる優位性があるが、現在の免疫療法の主流であるチェックポイント阻害剤の成績は十分とはいえない。本研究の自然免疫アジュバントを用いたISVと光免疫療法の組み合わせ戦略は、腫瘍をワクチン抗原のソースに転化し免疫誘導を最大化できるため、進行癌に対する治療目的のみでなく、術前免疫療法として実施することで術後再発を効果的に抑制しうる可能性があり、新たな免疫療法の選択肢となることが期待できる。
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