研究課題/領域番号 |
20K08331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
板場 則子 鳥取大学, 医学部, 助教 (70457167)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / セクレトーム / 肝線維化 / 腎線維化 / 肝硬変 / MSC / 線維症 / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は、研究代表者らが独自に開発した薬剤 IC-2を間葉系幹細胞に添加することで線維化抑制効果が増強する肝疾患治療用細胞シートを使用し、肝疾患治療用細胞シートの線維化抑制の本態となる線維化抑制因子を、網羅的解析、in vitroでの評価を通して絞り込み、候補因子の肝線維化抑制効果を肝硬変モデルマウスで検証することで、新規肝線維化治療薬の開発を目指す研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、間葉系幹細胞(MSC)に独自開発の薬剤IC-2を使用し線維化抑制効果を増強した肝疾患治療用細胞シートの液性因子中の線維化抑制因子を同定することで、新たな肝硬変治療法開発を目指す研究となる。本シートのセクレトームを、限外濾過法、ゲル濾過クロマトグラフィー法による2段階のサイズ分画を実施後、LC-MS/MSショットガンプロテオミクス解析を実施することで、線維化抑制因子の候補となるタンパクの絞り込みに成功した。この手法は、腎線維症のin vitro評価系にも応用可能であることが明らかとなり、本研究により、肝硬変だけでなく腎線維症の治療法開発へと繋げる重要な知見を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝硬変は国内の年間死亡者数が約17,000例に達しながら、いまだ有効な治療薬が存在しない。研究者らが開発した、温度応答性培養皿上で間葉系幹細胞(MSCs)に低分子化合物IC-2を添加し作製する「肝疾患治療用細胞シート」は、肝硬変の新規治療法になると期待されるが、外科手術を伴うため侵襲性が高く、すべての患者への適応は困難である。本研究ではこの問題点を打破すべく、肝疾患治療用細胞シートのセクレトームに着目し、肝線維化のみならず腎線維化抑制因子の抽出を進めることができた。本研究成果は、アンメットメディカルニーズとなる肝硬変や腎線維症の新たな治療法開発へと繋がる学術的、社会的に意義深い研究である。
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