研究課題/領域番号 |
20K08338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
打田 佐和子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60382074)
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研究分担者 |
LE THITHANHTHUY 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (10572175)
小谷 晃平 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (50711793)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 門脈圧亢進症 / 慢性肝疾患 / 肝線維化 / HVPG / 食道静脈瘤 / 食道胃静脈瘤 / M2BPGi / 肝弾性度 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性肝疾患においては肝線維化の進展と伴に門脈圧が上昇し、腹水、消化管出血、肝性脳症などの門脈圧亢進に伴う症状が出現する。一方、治療により肝線維化が改善することは明らかとなってきたが、上昇した門脈圧の低下に関する明らかな臨床医学的エビデンスやそれに関わる分子・細胞機序については殆ど解析されていない。 本研究では超音波・放射線/核医学画像・組織所見や動物実験モデル研究により、一旦上昇した門脈圧は低下するのか?、低下するならどのような分子・細胞機序が関わるのか?という「問い」を解明する。
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研究成果の概要 |
門脈圧亢進症の診断のため、肘静脈からの門脈圧測定法を確立した。C型慢性肝疾患に対する直接作用型抗ウイルス薬(DAA)治療によりC型肝炎ウイルス(HCV)が排除されると、肝機能や肝線維化マーカーは改善するが、HCV排除後も門脈圧および食道胃静脈瘤が悪化する症例があること、M2BPGiや肝弾性度は静脈瘤悪化予測に有用であることがわかった。また、非代償性C型肝硬変患者においてもHCV排除により細胞機能と門脈圧亢進症の改善が期待でき、治療前の脾臓容積が門脈圧亢進症改善予測に有用であることがわかった。 門脈圧低下のメカニズムについても、動物実験で線維化改善モデルを作成し、解析を継続中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、C型肝炎において抗ウイルス治療によりHCVが排除されると、肝線維化および細胞機能、門脈圧亢進症の改善が期待できることが明らかとなり、進行例においても抗ウイルス治療の意義が示された。一方、門脈圧亢進症の改善が乏しい例もあり、抗ウイルス治療の限界も明らかとなった。慢性肝疾患の予後を改善するには、原因排除のみでなく、肝線維化および門脈圧に関連するメカニズムを解明し、それをターゲットとした新たな治療法の開発が必要である。 門脈圧低下に関連するメカニズムおよび門脈を主とする腹部血管系の再生機構を解明できれば、組織修復に関わる病態医学理解の構築に寄与すると考えられ、その意義は大きい。
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