研究課題/領域番号 |
20K08341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鶴谷 康太 東海大学, 医学部, 講師 (00725377)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 薬物性肝障害 / iPS細胞 / 肝成熟化 / hiPS由来 / 細胞極性 / 毛細胆管 / ヒトiPS細胞 / 極性 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物性肝障害(drug-induce liver injury; DILI)は様々な薬剤で発症し得る病態で、肝不全に至る例もあり、基礎疾患の治療の妨げにもなる。また医薬品開発中断の主要因の一つであり、DILI発症を予測できれば医薬品開発のための費用の削減が期待される。肝臓は類洞や毛細胆管を介した物質輸送と代謝の場であり、肝細胞極性を有することが薬物代謝において必須の条件である。そこで、本研究では、個体差を反映したDILI評価系を確立するため、ヒトiPS細胞由来肝細胞を用いた、極性を有する培養系の確立、及びDILI予測可能なシステムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
薬物性肝障害は様々な薬剤で発症することがある病態で、肝不全に至る例もあり、基礎疾患の治療の妨げとなる。本研究では、ヒトiPS細胞から高機能で適切な細胞極性を持つ肝細胞を誘導し、肝毒性評価系を構築した。肝機能を特に細胞極性を誘導する因子としてKLF15を発見し、KLF15の強制発現により、肝臓の代謝酵素(TAT、CPS1、CYP)の発現を強く誘導できた。さらに、3次元培養により薬物トランスポーター(MRP3、OATP1A2、OATP1B1、OATP1B3)の発現を大きく増加させた。このiPS細胞を用いた技術はDILI予測システムの基盤となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、薬物性肝障害の予測と評価のための技術基盤を目的とする。高機能な肝細胞をヒトiPS細胞から誘導し、肝毒性評価システムを構築することで、医薬品開発の初期段階でのDILIリスクをより正確に予測可能となる。本研究では、ヒトiPS細胞へのKLF15の強制発現により、肝細胞の機能的成熟を促進する新たなアプローチを示した。この技術は、医薬品開発や再生医療や肝疾患の治療にも応用可能であると考えられる。
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