研究課題/領域番号 |
20K08343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
増崎 亮太 日本大学, 医学部, 助教 (20866149)
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研究分担者 |
神田 達郎 日本大学, 医学部, 准教授 (20345002)
森山 光彦 日本大学, 医学部, 教授 (50191060)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | インテグリンβ1 / 肝線維化 / TGFーβ1 / 細胞外マトリックス / インテグリン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、肝障害後に再生し完全に治癒する病態と、線維化進展を来す病態の分子生物学差異に注目し、線維化の機序解明と新規肝線維化治療薬の開発を目標とする。我々は、肝線維化に至るきっかけが、肝細胞と細胞外マトリックスの接着の障害にあるのではないかと考えており、代表的な接着分子であるインテグリンβ1に関して検討を行う。インテグリンβ1-floxedマウスを用い、8型アデノ随伴ウイルスの静脈注射あるいはアルブミンCreマウスと交配することで肝特異的ノックアウトモデルを作製し、肝臓の構築に与える変化を調べ、肝線維化の機序、治療方法の開発へ臨床応用を目指したい。
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研究成果の概要 |
インテグリン欠失初代肝細胞とマウス星細胞培養株を用いることで、肝細胞でのインテグリンβ1欠失が星細胞を活性化し、向線維化シグナルの亢進させることを確認した。部分肝切除後、24時間後と72時間後の血清を解析し、欠失による肝障害の発現なく、タンパク合成能にも有意差がないことを確認した。結果をまとめ英文誌に受理された(Am J Pathol 2021, 191:309-319)。Thioacetamide投与による肝線維化マウスでは、インテグリンβ1欠失群で有意に生存率の低下を認めた(P=0.043 by Logrank test)。機序について、RNA解析等を行い解析中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝硬変の治療については、原因疾患の治療が標準的に行われているが、肝線維化改善薬は未だ認可されていない。肝硬変にいたった肝臓のタンパク合成能を改善させる目的、また門脈圧亢進症を改善させるためにも重要な薬剤である。今回、我々は肝細胞と細胞外マトリックスを接着するインテグリンβ1に着目し、肝細胞特異的欠失マウスを作成し、インテグリン欠失が、TGFβの上昇と星細胞の活性化を招くことを証明した。一方、肝硬変患者では、肝内のインテグリンβ1発現が亢進することも報告されており、細胞外マトリックスとインテグリンβ1のバランスが重要であると示唆された。創薬に向けて、機序を解析中である。
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