研究課題/領域番号 |
20K08345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
古賀 浩徳 久留米大学, 医学部, 教授 (90268855)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | T-cell factor-4 / Wnt / Isoform / Splice variant / TCF-4 / Variant / isoform / variant / Wntシグナル / TCF7L2 / Splicing variant |
研究開始時の研究の概要 |
肝癌ではWntシグナル伝達系の破綻が広く知られているにもかかわらず,その破綻がどのような機序で肝発癌や癌の進展と関わっているのかについては不明な点が多い.本研究では,Wntシグナル中枢転写因子であるTCF-4の14種すべてのTCF-4 isoformのmRNA量を初めて詳細に定量する方法を開発し,肝癌特有のWntシグナル破綻メカニズムを明らかにすることを目的としている.その結果は,免疫チェックポイント阻害剤を含む薬剤への奏効を予見するマーカー探索や,肝癌特異的isoformを起点とした肝発癌・進展研究へと展開できる.それは転写レベルでの創薬研究にも大きく貢献できると考えている.
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研究成果の概要 |
これまでの研究から,各TCF-4 isoformの発現量や比が肝癌形質の多彩さを調節していることが示唆されたものの,従来の発現解析法では定量性に限界があった.本研究ではペプチド核酸を用いた新しいPCRシステムで,この限界を克服した.TCF-4JとTCF-4Kとの発現比較では,肝よりもむしろ胃や大腸などの消化管癌においてTCF-4J型が強く発現していることがわかった.また胎児由来不死化肝細胞ではTCF-4Eが特異的に高発現していることもわかった.総じて,TCF-4 isoformのプロファイルは癌の悪性度および臓器特有のWntシグナル活性化状況を反映していることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,14種すべてのTCF-4 isoformを解析対象とした.その結果,TCF-4M以外の13種のisoformの半定量的測定が可能であった.この測定系を初めて開発したことで,今後も独自に種々の腫瘍細胞や組織におけるTCF-4 isoformのプロファイル解析が可能となった.また,癌微小環境において,TCF-4 isoformプロファイルとWntシグナル活性との相関を評価することが可能となり,Wntシグナルを標的とする創薬研究にも大きく貢献できると考えている.
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