研究課題/領域番号 |
20K08348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
武田 宏司 北海道大学, 薬学研究院, 名誉教授 (60261294)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | グレリン / サーチュイン / グレリン受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、グレリンがもつ強力な抗炎症作用が、細胞内ヒストン脱アセチル化酵素Sirtuin(SIRT)の活性化を介するという仮説を検証する。本研究では、グレリン受容体刺激からSIRT1活性化に至る経路を明らかにするともに、グレリンの抗炎症作用がSIRT1活性化によってもたらされる可能性を検証する。ミトコンドリアに局在するSIRT3についても同様の検討をおこなう。さらに、SIRT1/3のエフェクター機構として想定されるオートファジーおよびミトコンドリア品質管理に与えるグレリン刺激の影響を検討し、さらに、慢性炎症におけるグレリン抵抗性との関係を検証する。
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研究成果の概要 |
グレリン受容体刺激が、SIRT1/3を介して抗炎症作用を示す可能性を検討した。グレリン受容体を安定的に発現したHEK293において、SIRT1mRNA量/蛋白量はグレリン添加後有意に増加した。SIRT3 mRNAは一過性に減少したのち増加、SIRT3蛋白量も増加する傾向を示した。さらに、ミトコンドリアに局在するp53のアセチル化の減少がみられた。以上より、ミトコンドリア近傍に局在するSIRT1が活性化したことが示唆された。さらに、ミトコンドリア新生に関与するPGC-1α、NRF-1、TFAMの各mRNAは、グレリン添加後いずれも増加したことから、ミトコンドリア新生が促進されたと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グレリンは、グレリン受容体を介して細胞内SIRT1/3を活性化し、ミトコンドリア新生を促進する可能性が示された。これらは、グレリンによる抗炎症作用の一部である可能性が高いと考えられる。この点がさらに明らかとなり、さらに慢性炎症状態におけるグレリン抵抗性の機序を解明することができれば、慢性炎症性疾患における炎症の持続機構の解明、ならび同機構の解除を目指す新規治療の開発につなが ることが期待される。
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