研究課題/領域番号 |
20K08357
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
橋本 真一 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (40530217)
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研究分担者 |
高見 太郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60511251)
山本 直樹 山口大学, 教育・学生支援機構, 教授 (90448283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 線維性腸管狭窄 / クローン病 / CT enterography / Cross-sectional imaging |
研究開始時の研究の概要 |
クローン病は指定難病の一つであり現在も根本的治療がなく、若年者に多く発症することから社会的な影響も無視できないものとなっている。特にクローン病で問題となるのは、炎症が持続することにより腸が線維化して狭くなることにより、十分な食事が摂れなくなったり、腹痛が続いてしまうことである。本研究の目的はクローン病患者さんの腸管が線維化するメカニズムを解明し、臨床に役立てることを目的として動物実験を用いた研究から実際の臨床症例での研究に至るまで計画している。
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研究実績の概要 |
マウスを使用した基礎的研究に関しては本年も着手できていないが、臨床研究に関してはクローン病症例に対して定期的なCT enterography(CTE)を実施しており、臨床症状、血液・血液生化学所見や治療内容および臨床経過の情報をさらに集積している。特にCT enterographyで腸管全層性の炎症の改善(全層性治癒)を認めた場合の長期予後解析を行ったところ、全層性治癒を認めた場合は再燃率が低い結果が得られており、論文化にむけて準備を進めている。 現在、あらたな治療薬が次々と使用可能となっており、多くのクローン病症例が寛解(症状が落ち着いた状態)を達成できているが、クローン病に多い小腸病変は症状や血液検査では判定が難しいため、無症状の症例でも狭窄が進行している場合がある。小腸は大腸と比較して管腔が狭いため、将来の手術を回避するためには定期的な検査が必要であり、CTEの適切な施行タイミングに関しても検討を進めている。 また、外科手術前に積極的にCTEを行うことで、手術前に正確な病態評価が可能となっており外科の先生方もCTE所見をもとに手術術式を検討するようになっている。得られた病理標本から、腸管線維化の度合いが判定可能であるため、CTE所見と手術標本とを比較して、CTEにおける線維化した腸管の所見について検討しており、今後はクローン病症例における狭窄が線維化によるものか、炎症に伴う浮腫によるものかをCTEで判定できるようになれば、手術が必要となる症例も減少すると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの実験系について立ち上げが遅延しており、現在、臨床研究を中心に研究を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も臨床研究を中心に検討を進めて行く予定であり、炎症のマーカーとしてはCRPだけでなく、近年測定可能になったLRGに関しても内視鏡所見およびCT enterographyと比較検討を行う予定である。当院ではCT enterographyを導入して15年経過するため、長期予後に関する十分な情報を集積できると考えてい る。クローン病患者さんの長期予後改善のために、様々な視点から検討を行っていきたいと考えている。
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