研究課題/領域番号 |
20K08368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
櫻井 俊治 近畿大学, 医学部, 講師 (90397539)
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研究分担者 |
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
工藤 正俊 近畿大学, 医学部, 教授 (10298953)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 癌免疫療法 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、炎症性腸疾患(IBD)および消化器癌の個別化医療への取り組みとして、治療薬の効果予測を行う。各治療薬の投与前に生検組織および血清を採取し、腸内細菌叢、遺伝子発現プロファイル、マルチプレックスサスペンションアレイ解析のデータと臨床経過を比較することで、腸内環境と血中サイトカインバランスに合わせた最適な治療選択の実現を目指す。また免疫療法により惹起されるirAE大腸炎とIBDの差異と類似性を検討し、IBDの病態を解明する。さらにマウス発癌モデルを用いて、免疫細胞を活性化するガンキリンの食道癌、胃癌における役割を検討する。
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研究実績の概要 |
がん免疫療法は多くの癌腫において有効性が示され、がん治療戦略を大きく変化させた。一方で、免疫関連副作用(immune-related adverse event: irAE)と呼ばれる副作用のリスクがあり、大腸炎を呈する消化管 (Gastrointestinal: GI) irAEの分子機序は不明な点が多い。臨床症状および内視鏡所見において、GI irAEと潰瘍性大腸炎(UC)は類似し、GI irAEはUCの1つのサブタイプである可能性がある。大腸粘膜と糞便を採取した。次世代シーケンサー(whole transcriptome, 16S sequencing)を用いて、GI irAEとUCの遺伝子発現プロファイルおよび腸内細菌叢を比較検討した。またinteractome解析によりGI irAEにおける宿主と腸内細菌の相互作用を考察した。コントロールと比べて、T細胞を活性化する働きのあるケモカインCXCL10、CXCL11の発現がGI irAEにおいて亢進していた。一方で、腸上皮の恒常性維持に関わるPDCD6IPの発現がUCにおいて低下していた。炎症粘膜では、遺伝子発現および腸内細菌叢において、GI irAEとUCは類似性を認めた。腸内細菌叢と遺伝子発現プロファイルの統合解析により、7つのclusterに分けられ、更にこれらは2つのmega-clusterに分けられた。機能解析では、免疫チェックポイント阻害薬に対する良好な反応は DNA repair やcell cycleが相関し、逆にinnate immune response、NFAT、IFN signaling pathwaysが負に相関することがわかった。炎症による2次的な腸内細菌叢の変化を除外するため、非炎症粘膜での検討を行い、Fusobacterium sp.の増加ががん免疫療法の治療効果と正の相関を示した。
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