研究課題
基盤研究(C)
DAA投与により、多くのHCVキャリアでSVRが達成可能となった。ウイルス排除によるC型肝炎治療の目的は肝発癌の防止にあり、SVR達成後に発癌率は明らかに低下するが、一部ではSVR後の肝障害の持続や、肝発癌が問題となっている。長期間の持続感染による肝炎による細胞障害、組織障害の分子機構は十分に解明されておらず、これらの障害がDAA治療により正常化するのかは解明されていない。これまでに樹立したHCV感染モデル、動物モデル、臨床材料を用いて、HCV排除後の肝障害や発癌に関与する肝細胞の微細構造変化、遺伝子発現変化を網羅的に解析し、関連する宿主因子を同定し、肝障害改善に資する基盤的研究をおこなう。
HCVは持続感染し慢性肝障害を引き起こす。線維化が進行すると、肝小葉が再構築され、血液循環動態の変化も関与する。SVR達成された後も、肝障害が持続することがある。本研究では感染細胞の小器官構造や遺伝子発現変化に着目した。培養細胞ベースでのHCV未感染細胞、感染細胞、感染後排除細胞を構築し、HCV感染からHCV排除が観察できた。これらの細胞においては可逆的、不可逆的に変化する遺伝子があった。これらの細胞での解析をさらに進め、ヒト肝臓キメラマウスや患者検体での解析を行い共通して可逆的、不可逆的に変化する遺伝子を明らかにし、肝障害に関連する宿主マーカーを明らかにする。
HCVは抗ウイルス療法により95%以上のウイルス排除率が達成されている。しかし、DAAによるSVR達成後に一部の症例ではウイルス排除後の肝障害の持続や、肝発癌が問題となっている。本研究ではウイルス感染およびウイルス排除に伴う肝細胞および肝組織変化に着目し、ウイルス感染による肝臓の可逆的および不可逆的変化を解析する。ウイルス排除後も回復しない不可逆的変化とその原因となる宿主因子について解明できれば、SVR達成後の肝障害および肝発がん予防に資する検査法および治療法開発につながることが期待される。
すべて 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 4件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件)
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