研究課題/領域番号 |
20K08375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
新倉 量太 東京医科大学, 医学部, 講師 (90625609)
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研究分担者 |
早河 翼 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60777655)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 胃癌幹細胞niche / 胃内細菌叢 / Fusobacterium nucleatum / Neisseria subflava / 胃癌 / Fusobactrium / 胃幹細胞 / ガストリン |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌は、我が国の主要な悪性腫瘍であり、ピロリ菌感染(HP感染)による慢性炎症が引き起こす萎縮、腸上皮化生と呼ばれる前癌病変として発症する。HP除菌後にも胃癌が発症することが判明しており、HP除菌だけでは十分に胃癌のリスクを減少させるに至っていない。本研究は、HP除菌後の胃幹細胞と周囲間質の幹細胞nicheに注目し、前癌病変における変化と相互作用メカニズムを解析し、最終的に胃癌の超高リスク群である持続的胃粘膜萎縮・腸上皮化生患者での胃癌リスク減少、予防効果をもたらす新規アプローチを探索することに焦点をあてる。
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研究成果の概要 |
特定の胃内細菌叢(Fusobacterium nucleatumとNeisseria subflava)がHelicobacter pylori除菌後胃癌の発癌、幹細胞nicheシグナル増強と関連を明らかにした。これらの細菌投与による胃癌細胞株、マウスモデル解析を行った。Fusobacterium nucleatumは直接胃粘膜上皮に接着し、接着後は、壁細胞の発現低下による高ガストリン状態の可能性が示唆された。さらに、これらの細菌はHelicobacter pyloriの存在によらず免疫反応をenhanceし、oncogenicな反応を引き起こしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘリコバクターピロリ菌の除菌療法の普及により、胃癌の発生リスクの低下が行われるようになった。しかし、ヘリコバクターピロリ菌除菌後にも胃癌が発生することが多くの疫学研究により報告されるようになった。日本国内には、数百万の除菌後の慢性胃炎患者がおり、これらの患者に対する除菌後胃癌の病態解明、サーベイランス、予防が求められている。本研究事業は、学術的に新規性が高い幹細胞nich、ガストリン、胃内細菌叢の分野に焦点をあてたものである。ヘリコバクターピロリ菌除菌後胃癌の病態解明に取り組むことで胃癌の診療に寄与することが可能であり、社会的意義が高い研究事業である。
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