研究課題/領域番号 |
20K08389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荻野 治栄 九州大学, 大学病院, 助教 (80621705)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 再燃機序 / 直腸環境 / 粘膜バリア機能 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎は、遺伝因子・環境因子・防御因子・免疫学的因子が複雑に絡み合い発症し、再燃・寛解を繰り返す難治性疾患である。直腸から炎症が生じ結腸全体に広がっていく特徴を有しているが、なぜ直腸から炎症が伸展していくか、何が発症のトリガーになっているか不明である。発症前の病態を評価することは困難であるが、治療後の炎症改善時 (寛解時) の病態を詳細に評価することは可能であり、寛解時の直腸を多角的に検討することで再燃に係わる因子や発症機序を解明出来ると考えている。
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研究成果の概要 |
潰瘍性大腸炎 (以下UC)は、再燃・寛解を繰り返す難治性疾患であるが、明らかな原因は不明である。直腸から炎症が生じ結腸全体に広がっていく特徴を有しているが、なぜ直腸から炎症が伸展していくか、何が発症のトリガーになっているかも分かっていない。今回、我々は寛解時UC患者を多角的に検討し再燃に係わる因子を解析した。今回の解析から、粘膜治癒が得られている寛解期UC患者では、結腸と直腸において細菌叢に差はなかったが、粘膜バリア機能は直腸のみにおいて低下していることが分かった。さらに粘膜のバリア機能低下はIL-1β、IL-6やClaudin 2の発現亢進と関与があることを見出した
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物実験腸炎モデルでは直腸のみに炎症を再現できるモデルが存在しないため、UCの病態を解明するためにはヒトにおける直腸の環境を評価するしかない。そこで、我々は寛解導入療法後に粘膜治癒が得られた状態に着目し、その病態を詳細に解析することで再燃の機序を解明出来るのではないかと考えた。直腸という特殊環境における免疫学的因子、腸内細菌叢、腸管上皮による粘膜バリア機能の相互関係を解析した研究は他になく我々の独自性があると考える。今回の研究によって、寛解中に再燃を来しにくい患者群を抽出することが出来れば、高額な寛解維持療法を中止する事が可能になり、医療経済における多大なメリットが得られると確信している。
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