研究課題/領域番号 |
20K08398
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相馬 桂 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90755696)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | シャント性心疾患 / 肺高血圧 / 肺血管リモデリング / 右室リモデリング / マクロファージ / 成人先天性心疾患 / 好酸球 / 低酸素 / 炎症細胞 / 血管リモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
成人先天性心疾患(ACHD)患者数は年々増加している。右心不全はACHDの予後不良因子だが、これまでその病態機構は明らかにされて来なかった。左室機能低下に対する薬剤は確立しているが、右室機能不全に対して効果的であるというエビデンスをもつ薬剤は未だなく、右室機能低下のメカニズムを明らかにすることはACHD診療における重要な責務である。本研究では既存の右室圧負荷モデルのみでなく肺血流量増加による肺高血圧症と低酸素血症を合併したシャント性心疾患モデルを使用し低酸素ストレスによる炎症細胞浸潤がて肺血管/右室リモデリングを増悪させる機構の解析を通じて、炎症制御というアプローチを新たな治療法開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
診断、治療技術の進歩により成人先天性心疾患患者の予後が改善してきた。しかし、右室機能不全や肺高血圧症を合併した成人先天性心疾患患者の予後は依然として悪いことが知られている。シャント性心疾患における肺血流増加は長期的に肺血管・右室リモデリングを引き起こすが、これまでその病態機構は明らかにされて来なかった。 我々は肺血流量増加と低酸素血症を合併するマウス病態モデルを構築しこのモデルを用いた解析を行った。マウスの左肺を切除した後、8.5%酸素下での低酸素飼育を行うことにより、著しい肺血管リモデリングを呈するモデル(シャント性心疾患モデル)である。このモデルは低酸素ストレスと定量性を持った右肺動脈血流増加を背景とした、臨床上のシャント性心疾患の病態を反映した病態モデルと考えられる。このマウスモデルを用いて、肺血管周囲に浸潤する炎症細胞をフローサイトメトリーを用いて経時的に解析した。特に血管平滑筋細胞の増殖期に集積するマクロファージに着目したところ、間質のM2マクロファージの早期浸潤が血管平滑筋増殖に関わること、間質マクロファージの除去により肺血管リモデリングが明らかとなった。続いて細胞集団特異的なLoss of function approachによりこのマクロファージ亜集団のシャント性心疾患モデルにおける機能的役割を検証した。また、このM2マクロファージの増加とともに好酸球も増加していることがわかった。好酸球除去によるM2マクロファージ除去によっても肺血管リモデリングの軽減を得た。本研究では、低酸素ストレスによる炎症細胞浸潤がシャント性疾患において肺血管リモデリングを増悪させる機構の解析を通じて、炎症制御が肺高血圧治療の一助となることを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID流行によるマウス小屋入室制限のため全体的に研究計画が遅延している
|
今後の研究の推進方策 |
M2マクロファージ由来の肺血管、右室リモデリング促進因子をシークエンスにて探索し、ターゲット因子をノックダウンすることでLoss OF Functionを確認する
|