研究課題/領域番号 |
20K08406
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
柏木 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70453181)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | フラクタルカイン / 腹部大動脈瘤 / フラクタルカイン受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
腹部大動脈瘤は、動脈壁の局所的脆弱性をもとに進行性の動脈径の拡大を特徴とする予後不良疾患である。現在、治療法として外科的介入があるが適応が限られるため、薬物療法の開発が望まれている。しかし、腹部大動脈瘤形成機序の詳細が不明のため、有効な治療薬は開発されていない。C-X3-C chemokine receptor 1(CX3CR1)は、ケモカインの一種であるフラクタルカインの受容体である。本研究の目的は、分子生物学的手法を用いてCX3CR1の腹部大動脈瘤形成機序への関与を明らかにし、新規分子標的療法の礎とすることである。
|
研究実績の概要 |
CX3CR1ノックアウトマウスに対する腹部動脈瘤モデルを作成し、引き続き病理組織学的な検討を行った。塩化カルシウムを用いて腹部動脈瘤の作成を行い、6週間までの結果を比較検討すると大動脈瘤周囲へのマクロファージ細胞の伸展が抑制されていたため、機序解明に実験を継続している。また、ヒトにおける検討を行うため、腹部大動脈瘤に対して人工血管置換術を施行された患者において、動脈瘤壁ならびに血清の試料を取得し検討を行う次第である。ヒトにおいては、CX3CR1単球細動が上昇している結果が得られた。 前年度からフラクタルカイン陽性単球と不整脈疾患への影響にも着目した。まずは心房粗動カテーテルアブレーションにおける心臓解剖の影響についての検討を行い、結果を報告とした。現在心房細動患者において、フラクタルカイン陽性単球の影響を検討するために、順次検体を収集している段階である。上記に加え、術後心房細動の予後や再発等について、食道癌関連についてはThe Journal of Gastrointestinal Surgery誌に、肺腫瘍性疾患については、Surgery today誌に報告した。今後研究課題として全胸部外科手術まで調査する予定である。また術後心房細動へのフラクタルカイン陽性単球の関連性についても、動物モデルを用いて検討する次第である。 また上記に加え、coronary artery disease誌に、冠動脈CTにおける冠動脈プラークの特徴と、将来的な予後、特に安定狭心症と急性冠症候群発症との関連について報告を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた腹部大動脈瘤における機序の解明には至っておらず、現在も検討中である。またコロナ渦の影響もあり、ヒト検体の収集が進んでいない。 しかしながら心疾患、冠動脈疾患にや不整脈疾患においてもの調査は進んでおり、フラクタルカイン陽性単球の役割を調査する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
CX3CR1ノックアウトマウスを用い、遺伝子や蛋白の発現についての検討を行い、マクロファージ細胞との関連を検討する。それに平行して、ヒトより得られた試料にて同様の実験を行い、ヒトにおけるメカニズム解明を行う。 不整脈疾患や冠動脈疾患との関連に関しては、症例のエントリーを継続と調査を行う予定である。
|