研究課題/領域番号 |
20K08428
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
中里 和彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90363762)
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研究分担者 |
杉本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (30404867)
三阪 智史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50793080)
横川 哲朗 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80748773)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / 重症度 / 治療反応性 / 遺伝子変異 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
肺高動脈性肺高血圧症(PAH)に対する治療薬の開発や、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対する手術あるいはカテーテル治療の進歩により、肺高血圧症の予後は非常に改善しているが、治療への反応が個々の患者により異なることも認識されるようになってきた。従来、治療の方法が大きな要因と考えられていたが、患者側の体質的な要因も寄与している可能性がある。その点が明らかになれば、より詳細な病型分類と治療選択が可能となり、肺高血圧症診療の進歩に寄与すると考える。 本研究ではPAHとCTEPH患者に、現在の標準的な治療介入を行なった際の治療反応性と患者個人の特性を比較することにより、その関連性を検討する。
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研究成果の概要 |
ヤヌスキナーゼであるJAK2のV617F変異クローン性造血は骨髄増殖性疾患の患者に高頻度に認められる。WHO肺高血圧分類のⅤ群には骨髄増殖性疾患がリストアップされているため、我々は造血幹細胞におけるJAK2-V617F変異に着目した。 血液疾患を発症していない肺高血圧症患者の7.1% (5/70)にこの変異が同定され、対称群の0% (0/83)に比へて有意に高頻度であった。JAK2-V617F マウスでは、変異クローンの好中球が肺動脈周囲に浸潤し、JAK2の下流にあるSTAT3のリン酸化を介してALK1-Smad1/5/8シグナリングの活性化から肺動脈リモデリングを促進していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺高血圧症は希少疾患ではあるが、その中においても病状の進行や治療反応性には個人差がある。肺高血圧症の病態メカニズムの多様性について、ヤヌスキナーゼであるJAK (Janus Activating Kinase) 2の変異クローン性造血の視点から検討した。 マウスを用いた基礎k的検討では、JAK2-V617F変異クローンの好中球が肺動脈周囲に浸潤し、JAK2-STAT3のリン酸化からALK1-Smad1/5/8シグナリングの活性化を介して肺動脈のリモデリング、さらには肺高血圧症の進展に関与することを突き止めた。さらにALK1の抑制が肺動脈リモデリングや肺高血圧発症の予防になること示した。
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