研究課題/領域番号 |
20K08430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
高橋 政夫 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00447418)
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研究分担者 |
今井 靖 自治医科大学, 医学部, 教授 (20359631)
大島 まり 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40242127)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | プラーク / 冠動脈運動 / 血流動態 / 動脈プラーク / 拍動の流体力学 / 3次元化 |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈近位部のプラーク破綻は心筋梗塞を誘発し致死的状態となり、プラーク破綻する部位を認識することは重要である。プラークは空間的不均一に認めており、この一つの原因は蛇行や分岐で生じる局所血流動態によると知られている。しかし、局所血流動態のみでは説明できない空間的不均一なプラーク形成に臨床上遭遇する。一方で心臓の収縮・拡張を繰り返す冠動脈運動(coronary artery motion:CAM)は空間的不均一性を認める。このCAMがプラーク形成・破綻に関連した報告はあるが、確定的な見解ではない。このためCAMとプラーク形成への影響を検討し、プラーク形成・破綻の予測ができる可能性がある。
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研究実績の概要 |
冠動脈プラークの形成に冠動脈運動が関連するのか検証するために,冠動脈運動によりどの部位に大きな力学的ストレスが加わり,また,冠動脈内を流れる血流 がどの様な流動変化を起こすかを明らかにするため,冠動脈の動きが再現可能なコンピュータシミュレーションの作成をすることが第一の目的である。心臓CTデータは心臓を輪切りした数百枚の断面画像が積み重ねられている。医療用デジタルイメージの画像処理ソフトである[OsiriX]を用いて,心臓CTのDICOMデータか ら冠動脈の3Dモデルの構築を試みた。作成した冠動脈の3D画像は3Dプリンタで構築も可能となるSTL(Standard Triangulated Language)フォーマットとして出力した。しかしながら、STLデータが粗く高度な3Dモデルを作成することが困難であった。このため他のCTデータを画像処理ソフトであるVincentでSTLデータとし、これをもとに拡張期と収縮期の冠動脈モデルを作成した。OsiriXより細かいデータを得ることができ、3Dモデルの構築が可能であった。また心周期を6分割しそれぞれのタイミングでのモデルを作成し各時相での3Dモデル作成を試みたが、CTデータが主に収縮期と拡張期を中心に撮像されているため、中間相は現状では抽出困難であった。2時相での血流解析(CFD)を行い、これが再現性のあるデータとなるかを検証する必要がある。COVID19のため研究が中断していたが、現在工学部との連携が徐々に再開出来つつあり、CFD解析の再現性追究過程にある。更にartificial intelligence(AI)を用いて冠動脈運動を解析することを追求する予定である。過去のCTデータを用いて動脈硬化性プラークを発生させている部位を特定し、その部位と運動の関係性を探索する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナなどのため連携が取れず、かなり進捗が遅れている。今後工学部との連携を深めることで進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
CTを用いて収縮期と拡張期のデータは抽出できたが、(心拍変動による)冠動脈運動を全て2相のみでは評価できないと考えられた。つまり中間相での冠動脈運動を推定できるも収縮期と拡張期の間を取る補完的なデータとなるのみで正確ではない。このため実際の動きを3次元に表現し直すことが可能となるデータの収集が必要であった。冠動脈造影は様々な方向から冠動脈運動を表現しているため、冠動脈造影をサンプルに3次元化モデルの構築が可能となれば実際の臨床に合致した冠動脈運動を示すことができると判断した。このため冠動脈を数点に分解しそれをどのように動くかを評価する方針とした。この点で放射線科との協力も考えている。
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