研究課題/領域番号 |
20K08433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
磯田 菊生 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (00532475)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 炎症 / 時計遺伝子 / 血管傷害 / 内膜肥厚 / 動脈硬化 / 新生内膜肥厚 / サイトカイン / 腎障害 / 慢性炎症 / 炎症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
最近の研究で時計遺伝子のE4BP4は、炎症性疾患において炎症反応を沈静化させる役割をもつことが示唆されている。そこで本研究ではまず大腿動脈にポリエチレンのカフを巻き、持続的外膜刺激により生じる血管炎症と新生内膜肥厚を野生型マウスとE4BP4欠損マウスで比較することでE4BP4の役割を検討する。次に、動脈硬化モデルマウスであるApoE欠損マウスと交配して得られたE4BP4・ApoEダブル欠損マウスを用いて、E4BP4欠損が動脈硬化病変のサイズや構成成分に及ぼす効果を検討する。以上の実験モデルを用いて、E4BP4制御が動脈硬化や心筋梗塞の新たな予防法になる可能性に関して実証していく。
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研究実績の概要 |
これまでの研究で炎症を促進するTh1細胞を持続的に刺激すると、E4BP4というタンパク質がTh1細胞に発現し、抗炎症性サイトカインのIL-10を産生することが報告されていた。これは炎症が遷延化するとTh1細胞にE4BP4が発現し、抗炎症作用を惹起すると考えられていた。そこで申請者は血管系の慢性刺激としてカフによる外膜刺激を加え、野生型マウスではこれらの慢性刺激によりE4BP4が誘導され、内膜肥厚が抑制されるのではないかという仮説の実証を行った。申請者らが長年施行しているカフ傷害モデルとは、麻酔下でマウス大腿動脈に長さ2mm×内腔0.56mmのポリエチレンカフを巻き、切開した筋膜と皮膚を縫合したのち2週間飼育する方法である。このモデルではポリエチレンカフを動脈の閉塞をきたさない程度に巻くことで、慢性的な外膜刺激を与えることになり、野生型マウスではE4BP4タンパクが誘導され炎症抑制に働くが、E4BP4欠損マウスでは抗炎症効果が得られないため、炎症が遷延・増強すると予想していた。実際カフ傷害をE4BP4欠損マウスと野生型マウスに加えたところ、仮説とは逆にE4BP4欠損マウスの方が、傷害血管の炎症が少なく、内膜肥厚が抑制されていた。得られた組織の内膜肥厚の定量評価および統計解析を加え、統計的な有意差を得ることができた。免疫染色による検討でもE4BP4欠損マウスでは、炎症性サイトカインの発現が抑制されていることが示された。 更に並行して検討している動脈硬化モデルマウスであるApoE欠損マウスとE4BP4/ApoEダブル欠損マウスを用いた動脈硬化形成実験においてもE4BP4を欠損させると動脈硬化形成領域が減少することが示された。 以上より、E4BP4は刺激に対して炎症を促進する可能性が示唆される結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験開始時に新型コロナウイルスの蔓延に伴い、マウスの繁殖や実験を行うことが困難となり1年以上の遅れをきたした。現在当初予定していた実験を行える状態となったたため、遅れているがデーター収集が行なえている。
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今後の研究の推進方策 |
カフ傷害をE4BP4欠損マウスと野生型マウスに加えたところ、仮設とは逆にE4BP4欠損マウスの方が、傷害血管の炎症が少なく、内膜肥厚が抑制されていた。この機序を解明するため、免疫染色・定量的PCRを行う予定である。
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