研究課題/領域番号 |
20K08435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
名越 智古 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60408432)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ナトリウム利尿ペプチド / 心臓エネルギー代謝 / インスリン抵抗性 / 生体温度制御 / 心臓脂肪連関 / ミトコンドリア / 脂肪滴 / 保温効果 / 尿酸 / URAT1 |
研究開始時の研究の概要 |
インスリン抵抗性(IR)を主体とした心筋エネルギー代謝障害は心不全の病態生理の根幹ともいえる。一方、不全心から産生・分泌されるNa利尿ペプチド(NP)の骨格筋や脂肪組織におけるエネルギー代謝制御が注目されている。本研究では、NPが不全心における心臓エネルギー代謝障害を改善する可能性を見出し、その詳細なメカニズムを明らかにする。特にIR・ミトコンドリア機能の改善、保温効果に焦点を当て、脂肪組織との臓器間ネットワークを介した代謝制御について、基礎と臨床の両面からアプローチする。これらを通じて、不全心で産生・分泌されるNPの病態生理学的意義を既知の血行動態制御とは独立した新たな観点から明らかにする。
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研究成果の概要 |
ナトリウム利尿ペプチド(NP)の脂肪組織を介した、インスリン抵抗性(IR)改善や生体における保温効果を明らかにした。ANP投与は高脂肪食負荷(HFD)マウスの脂肪肝改善や褐色脂肪活性化を介し、全身IRを改善した。心組織では脂肪滴形成を促進し、余剰な脂肪をtrapすることで、組織IRが改善した。一方、低温環境下でのNPの保温効果をin vivo寒冷刺激試験及び心臓カテーテルデータベース解析で示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NPが特に低温環境下において保温効果を発揮したり、肥満/IR病態においてIRを改善し、心不全の病態生理の根幹であるエネルギー代謝障害に対して有利に働くことを、基礎と臨床の両面から示した。肥満や重症心不全時などIR病態では、本来ならNPが必要な病態であるにもかかわらず、実際には量的にも質的にも充分な効果を発揮していないことが示されており、こうした病態でNP補充療法の重要性・意義がより一層増すと考えられた。反対に、重症心不全に伴うcachexia状態においては、NPが作用し効を奏するために必要な脂肪組織や骨格筋量が低下し、IR改善や保温効果を十分に発揮できない可能性も明らかとなった。
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