研究課題/領域番号 |
20K08437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
尾崎 行男 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50298569)
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研究分担者 |
皿井 正義 藤田医科大学, 大学病院, 病院教授 (10298531)
谷澤 貞子 (元山 貞子) 藤田医科大学, 医学部, 客員教授 (30308902)
河合 秀樹 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (30778361)
村松 崇 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40783759)
渡邉 英一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80343656)
井澤 英夫 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80402569)
外山 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90247643)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 急性冠症候群 / 急性心筋梗塞 / 光干渉断層像 / 血栓形成 / 病理組織 / 免疫染色 / acute coronary syndrome / plaque erosion / plaque rupture / optical coherence tomo / computed tomography |
研究開始時の研究の概要 |
今回、急性冠症候群(ACS)に対する冠動脈イメージングと吸引血栓の病理学的検討においては、急性心筋梗塞患者(AMI)患者を対象とし、血栓吸引の後、冠動脈インターベンション(PCI)施行前に、OCTやIVUSなどの冠動脈イメージングを用いて、この原因とされるプラーク破綻、びらん、カルシウム結節の画像診断を行い、吸引血栓の病理診断と比較検討を行う。さらに可能な症例においては、慢性期に高精細冠動脈CTを施行し、非責任病変に対するOCT、IVUS画像との比較検討を行い、高精細冠動脈CT画像がACS診断にどのように貢献できるかを検討する。
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研究実績の概要 |
急性冠症候群(ACS)のメカニズムとしては、プラーク破綻、びらん、カルシウム結節がその原因とされている。しかしながら近年、マクロファージとくにM1/M2マクロファージの役割に注目が集まっている。今回冠動脈病変を詳細に検討できる光干渉断層像(OCT)と、吸引血栓のHematoxylin-Eosin 染色やMovat Pentachrome 染色などの通常染色に加え、CD 68、CD 168、CD 34などの存在を免疫染色により明らかにし、M1/M2マクロファージの分布と役割を、in-vivoのOCT画像と、免疫組織学的診断との比較検討を行い、今まで十分明らかにはされて来なかったACSのメカニズムと血栓性状・形成との関連を検討することを目的に本研究を企画した。 急性冠症候群(ACS)に対する高精細冠動脈CT、OCTなどの冠動脈イメージングと吸引血栓の免疫染色を含む病理学的検討においては、1) 急性心筋梗塞患者(AMI)患者160例を対象とし、血栓吸引の後、PCI施行前に、OCTを用いて、この原因とされるプラーク破綻、びらん、カルシウム結節の画像診断を行う。2) 吸引血栓組織を、世界で初めてプラークびらんを提唱したイタリアパビア大学の病理学者Arbustini 教授により、血栓吸引組織の病理学的診断を、通常染色に加え、マクロファージ (CD 68, CD 164, CD 34)を対象とした免疫染色も施行し、M1およびM2 マクロファージを同定し、OCT診断との比較検討を行い、今まで十分明らかにはされて来なかったACSのメカニズムをマクロファージの側面からも明らかにするため研究を進めている。初期のデータ解析では大変興味深いfindingsを掴むことができているものの、昨今のCOVID-19の影響を受け、症例登録ペースの低下に伴い、研究期間が延長しているが、研究成果は期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響により研究には遅れが生じている。 本研究においては、当初 急性心筋梗塞(AMI)患者200例を対象とし、血栓吸引の後、PCI施行前に、OCTやIVUSなどの冠動脈イメージングを用いて、この原因とされるプラーク破綻、びらん、カルシウム結節の画像診断を行い、吸引血栓の病理診断との比較検討も行い、ACSのメカニズムと血栓性状・形成との関連を詳細に検討する予定であったが、COVID-19感染症蔓延の影響により、急性冠症候群患者の受診抑制やカテーテル室の数々の制限により、血栓吸引の後、PCI施行前に、冠動脈イメージングを用いて、この原因とされるプラーク破綻、びらん、カルシウム結節の画像診断を行ことが困難なっている。 また、プラークびらんの権威であるイタリアのArbustini教授らにコンサルトしながら明らかにする (Arbustini E, et al. Heart 1999)予定であったが、イタリアパビア大学での検討が海外との交流の困難さにより、開催できず、研究の進捗に大きな影響が出ている。ただ、最近はこの傾向は改善してきており、研究は再開されている。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19感染症の影響も改善しつつあり、今後は症例のエントリーペースを上げるとともに、follow-up dataの集積を図り、研究を着実に進めて行く。また。イタリアのArbustini教授らとの交流を再開し、研究のペースアップに努めたい。
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