研究課題/領域番号 |
20K08441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桑原 正貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30205273)
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研究分担者 |
栃内 亮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90833997)
関澤 信一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80760420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 抗がん剤 / 心毒性 / ドキソルビシン / 高血圧 / 不整脈 / 遅発性 / 自律神経 / 遅発性心毒性 / 組織幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、小児期に抗がん剤治療を受けた患者において成人後の心疾患リスクが高いことが明らかになり、小児がんの治療薬に遅発性の心毒性が存在することが示唆されている。この遅発性の心毒性には、生体内に存在する組織幹細胞の障害が一因であることが明らかになってきたが、詳細は不明である。 本研究では、幼若動物に抗がん剤を投与し、成熟後に異常が誘発される遅発性心毒性を再現する動物モデルを作製する。さらに、このモデルを用いて遅発性心毒性の病態に神経幹細胞の障害に起因した自律神経機能異常が関与している可能性および遅発性毒性の予防戦略について検討する。
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研究成果の概要 |
小児期のラットにドキソルビシン(DOX)を投与した結果、5か月齢の時点では異常が認められなかったが、11か月齢で上室性期外収縮(PAC)が発現した。PACの原因は房室結節内あるいはその周囲に線維による伝導障害であると考えられた。また、小児期の自然発生性高血圧モデルラットにDOXを投与した結果、6か月齢で動脈壁の弾性低下を示唆する血圧変化が認められた。また、心機能低下が12か月齢で認められた。一方、これらのラットに自律神経機能の異常を示唆する心拍変動性の変化は認められなかったことから、本研究において検出された心臓の異常所見は、自律神経やその幹細胞とは関係しないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドキソルビシンの心毒性については、がん治療においてドキソルビシンの投与を受け、生存したがんサバイバーなどにおいて治療完了から数年後に心不全を発症する遅発性心毒性の存在が示唆されており、その詳細に関する研究、解明が期待されている。本研究では、遅発性心毒性の発現機序に自律神経機能の異常が関与することを示すには至らなかったが、遅発性心毒性の病態の一端をラットで再現できることを明らかにした。また、そのラットの病態を解析することで、遅発性心毒性には血管弾性やリエントリー器質が関与する可能性を示した。
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