研究課題/領域番号 |
20K08444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大辻 浩 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70581651)
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研究分担者 |
岡田 光 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (50788916)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / 心臓リモデリング / 慢性炎症 / 臓器線維化 / 虚血性心疾患 / 線維化 / Semaphorin 6A / リンパ管新生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、リンパ管新生促進を介したSema6Aの心臓リモデリング抑制効果とその作用機序を明らかにする。具体的には、①マウスを用いてSema6Aによるリンパ管新生が心臓リモデリングを抑制するメカニズムを明らかにする、②リンパ管内皮細胞株を用いてSema6Aの線維化抑制機序を明らかにする、③心臓微小環境におけるSema6Aの生理作用を一細胞遺伝子発現解析にて明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
Semaphorin6A(Sema6A)が抑制するTGF-beta/Smad3経路は、心臓リモデリングを促進させるシグナルでもあり、我々はマウス心筋梗塞モデルを用い、Sema6Aの心筋梗塞後リモデリングへの影響を評価した。マウス心筋梗塞モデルにおいて浸透圧ポンプを用いSema6Aの細胞外ドメインを4週間持続皮下投与(2μg/4週)すると、生食投与群と比較し、生存率の改善を認めた。更に心筋梗塞8週間後の心臓超音波検査にて心拡大抑制、収縮力改善、心重量・肺重量低下、シリウスレッド染色では非梗塞領域の線維化抑制、リアルタイムPCRでは心筋での炎症・線維化・心肥大関連遺伝子発現抑制を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性心筋梗塞はかつて極めて致死率の高い疾患であったが、早期再灌流療法が一般的に施行される現在その致死率は激減した。しかし皮肉なことに多くの生存例の心臓はその後、長期的に心筋梗塞後リモデリングをきたし、心不全パンデミックの一因となっている。治療薬として、心臓リモデリングの背景にある炎症からの線維化を直接阻害するというコンセプトは極めて明快であるが、直接線維化抑制をターゲットとした治療薬は現在も存在しない。本研究は心筋線維化を抑制することにより心筋梗塞後リモデリングを抑制するメカニズム解明、更には治療薬開発へつながる基盤研究となるものである。
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