研究課題/領域番号 |
20K08450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2022) 長崎大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
辻 幸臣 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (60432217)
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研究分担者 |
山崎 正俊 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (30627328)
常山 幸一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10293341)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 電気的ストーム / 渦巻き型旋回興奮(ローター) / 遅延ナトリウム電流 / 神経型ナトリウムチャネル / 遺伝子発現 / 心筋代謝リモデリング / 神経型Naチャネル / トルサードドポアント |
研究開始時の研究の概要 |
致死性不整脈による心臓突然死は年々増加しており、近未来には、さらに深刻な社会問題となることが予想されている。しかし、有用な治療・予防薬はなく、その発生機序や分子基盤についても未解決な点が数多く残されている。本研究では、治療標的として神経型Naチャネル蛋白Nav1.8を取り上げ、薬理学的・遺伝学的Nav1.8阻害による効果を、重篤な不整脈疾患「反復する心室細動(電気的ストーム)」を再現した実験モデル動物で検討するとともに、Nav1.8発現が心筋で増加するメカニズムを追究し、その病態生理学的役割を明らかにする。心臓突然死の原因究明や新薬開発につながる基礎的知見の獲得を目指す。
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研究成果の概要 |
神経型NaチャネルNaV1.8の電気生理学的役割を解明するために、電気的ストームのモデル動物を用いた実験研究を行った。当該モデルは、完全房室ブロック、QT延長、心室肥大を示し、トルサドポアンツ(TdP)/心室細動が反復発生する特徴をもつ。NaV1.8介在遅延ナトリウム電流の亢進によって引き起こされる再分極遅延領域アイランドが、TdPを駆動する渦巻型旋回興奮波(ローター)の発生・維持・停止に寄与することが判明した。TdPに特徴的な心電図波形の成因が、アイランド辺縁をさまよい運動するローターであると考えられ、NaV1.8が病態心に伴う不整脈に対する新たな治療標的となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
致死性不整脈による心臓突然死は年々増加しており、近未来には、さらに深刻な社会問題となることが予想されている。しかし、有用な治療・予防薬はなく、その発生機序や分子基盤についても未解決な点が数多く残されている。本研究では、重篤な心臓不整脈疾患「反復する心室頻拍・細動(電気的ストーム)」を再現したモデル動物を用いて、電気的ストームを可視化するとともに、心筋組織・細胞の特性変化を解析した。致死性不整脈は渦巻き型旋回興奮波を機序とすること、その成立に神経型ナトリウムチャネルNaV1.8の心筋細胞での出現が関与することが判明した。新たな抗不整脈薬の開発に繋がる実験結果が得られた。
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