研究課題/領域番号 |
20K08460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
齋藤 恒徳 日本医科大学, 医学部, 助教 (00716631)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オートファジー / 拡張型心筋症 / 全エクソーム解析 / 次世代シーケンサー / 電子顕微鏡 / ミトコンドリア / マイトファジー / 心筋細胞 / 原因遺伝子 / 循環器内科学 |
研究開始時の研究の概要 |
オートファジーは細胞の自己成分をリソソームに運び分解する作用である。拡張型心筋症(DCM)患者の心筋細胞を電子顕微鏡で観察したところ、オートファジーが認められない症例は予後が不良であった。オートファジーは全ての真核細胞が有する作用であるため、その欠如には遺伝学的要因の関与が考えられる。DCM症例の全エクソーム解析を行い、DCMの原因となりうるオートファジー関連遺伝子変異を探索する。個々の遺伝子変異について、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の心筋細胞を含む培養心筋細胞を用いて機能解析を行い、それらの遺伝子変異が心筋細胞障害およびDCMの原因となりうるかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は申請者が2017-2019年度に行った「拡張型心筋症におけるオートファジーの検出と臨床的意義の解明(17K16029)」の後続研究である。17K16029では電子顕微鏡で拡張型心筋症(DCM)の不全心筋に認められるオートファジーをMRI所見や臨床像と比較した。心筋の線維化を反映する所見であるMRIガドリニウム遅延造影よりもオートファジーの方がより明敏な予後予測指標であり、オートファジー不全がDCMの原因になりうると考えられた(Saito T, et al. ESC Heart Fail.2020;7:682)。 これを受け、本研究課題ではオートファジー関連遺伝子変異が心筋細胞障害の原因となるか調べることを目的とした。32例のDCM患者にDNAの全エクソーム解析を行い心筋症関連116遺伝子およびオートファジー関連44遺伝子に着目したところ、ATG2B (c.1939C>T) およびPSEN2 (c.1262C>T) の変異がDCMの原因である可能性が示された。 PSEN2の機能解析を行ったところ、2021年5月にPSEN2はマイトファジーを司る蛋白質パーキンの細胞質からミトコンドリアへの細胞内移送を担っていることを明らかにした。オートファジー関連遺伝子変異が心筋細胞障害の原因となりうることを証明でき、研究目的を達成した。
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