研究課題/領域番号 |
20K08462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
岩田 裕子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (80171908)
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研究分担者 |
泉 知里 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部門長 (70768100)
伊藤 慎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 室長 (20796560)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / 心筋症 |
研究開始時の研究の概要 |
拡張型心筋症また虚血や高血圧などに起因する重症心不全を治癒する究極的な治療法はない。本研究では、病態の特徴である持続的なCa2+濃度上昇に着目し、有力な誘因蛋白質、メカノセンサーチャネル(TRPV2)の心筋における生理的、病態的意義を明確にし、TRPV2が心不全の有力な治療標的になることを確定することを目標としている。そのため病態心筋におけるTRPV2活性化機構の解明、TRPV2特異的阻害ツールによる心不全モデル動物治療効果の検討並びに阻害機構の解明、既販阻害薬を用いた臨床研究を通し、心不全発症機構の本質に迫るとともにTRPV2の構造・機能解析に基づく最良の新規心不全治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
カルシウム透過チャネルTRPV2の心筋症・心不全における病態生理的意義を明確し、治療標的になることを確定するため、心筋虚血再灌流傷害及び大動脈狭窄心不全動物モデルで活性化されるTRPV2を抑制したところ、発症及び進展が抑制さた。また進行期心不全筋ジストロフィー患者を対象としたTRPV2阻害薬の効果を調べたところ、心不全マーカー血清BNPの変化率の有意な減少傾向が認められた。筋ジストロフィー患者の単核球表面のTRPV2及び尿中PGD2代謝物は増加していたが、薬物投与4週及び12週で各々減少することが明らかになり、TRPV2阻害薬が心不全に伴う炎症を抑制する作用があることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究結果は、TRPV2が心筋症・心不全の病態生理に関与していることを示唆している。さらに、TRPV2を抑制することで心筋虚血再灌流傷害や大動脈狭窄心不全の発症及び進展が抑制されることが判明した。また、TRPV2阻害薬が心不全に伴う炎症を抑制する作用があることも示されたため、将来的にはTRPV2を治療標的とした心筋症・心不全の治療法が開発される可能性が高い。
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