研究課題/領域番号 |
20K08463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
小川 愛子 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 分子病態研究室長 (40572748)
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研究分担者 |
松原 広己 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 副院長 (70252955)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 肺動脈平滑筋細胞 / ずり応力 / マイクロ流路 / CTEPH / シグナル伝達 / 平滑筋細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
指定難病である慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)では,肺動脈平滑筋細胞(PASMC)などの過剰増殖により血管内腔が狭小化する.このような血管病変は,高いずり応力を来すと考えられる.したがって,本研究ではCTEPH患者の肺動脈内のずり応力を実測する.さらに,CTEPH患者由来PASMCを灌流培養し,ずり応力を負荷する.ずり応力によりPDGFや炎症性サイトカインなどの発現が制御されていることを示し,その機序を明らかにする.
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研究成果の概要 |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、肺高血圧症の主要な原因疾患であり、指定難病である。肺動脈血管内腔が狭小化・閉塞するために肺動脈圧が上昇し、右心不全に至るが、CTEPHに対する治療薬は2剤のみであり、その効果も不十分である。代表者らは、CTEPHのカテーテル治療を改良し、世界に普及させてきた。その過程の中で、CTEPHにおける肺動脈狭窄病変における異常な「流れ」が病態進展において果たす役割に注目した。本研究では、CTEPH患者由来の細胞・血液試料を利用し、肺高血圧症研究に有用な立体培養モデルの確立や、CTEPHの病態進展に関与する血清タンパクの同定ならびにシグナル機序の解析を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
指定難病であるCTEPHは、急性肺塞栓症後に血栓が残存・器質化して発症するとされるが、その既往のない症例が多く、発症機序は未解明である。本研究では、CTEPH患者由来血清を解析し、CTEPH特異的なバイオマーカー候補となる、CTEPH患者で増加している血清因子を複数同定した。さらに、CTEPH患者由来細胞を用いた実験により、同定した因子の一部が病態進展に直接関わる可能性が示唆され、治療標的候補となりうることを示した。また、肺高血圧症研究に有用な立体培養モデルも確立した。これは、同定した血清因子のシグナル機序解析などを含め、CTEPHの病態進展機序の解析を推進する上で有用な基盤的技術となりうる。
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