研究課題/領域番号 |
20K08464
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 大 山形大学, 医学部, 講師 (90400548)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | Nephrocystin-4 / Pressure overload / Hippo pathway / Insulin signaling / ITCH / primary cilia / NPHP4 / 初期エンドソーム / 心不全 / 病的心肥大 / Jade-1 / cardiac hypertrophy / リモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
高血圧性心疾患は、左室圧負荷により左室リモデリングを来し、心不全発症の原因となる。1次線毛は、細胞膜上に生じる小さな不動性の突起物で、機械的刺激に対するセンサーとして働く。1次線毛は、線毛上に局在するレセプターや構造タンパク質により、さまざまな細胞内シグナルを調節する。NPHP4は1次線毛の構成タンパク質で、常染色体劣性嚢胞腎の原因遺伝子として同定された。胎生期には、心臓左右軸の決定や非対称性の獲得に重要な役割を担う。NPHP4の機能異常が、1次線毛伸長障害を介して高血圧性心疾患を増悪するか検討する。NPHP4を標的とした薬物・遺伝子介入により、心肥大抑制を介した新たな治療法の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
我々は、ネフロン癆の主原因であるNephrocystin-4 (NPHP4) は、一般住民において心血管死亡と関連することを報告した。心疾患発症におけるNPHP4の機能を解明するために、NPHP4ノックアウトマウスを作製し、胸部横行大動脈縮窄術(TAC)を施行した。NPHP4 KOマウスはミトコンドリア機能障害を示し、心機能が悪化した。また、野生型マウスと比べて生存率が有意に低率であった。NPHP4 をノックダウンすると、Hippo経路が活性化し、IGF-1刺激に対してインスリンシグナル伝達が抑制された。NPHP4は心疾患の遺伝的危険因子である可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心疾患の発症には、遺伝的危険因子が関与する。我々は、本邦一般住民においてNPHP4遺伝子多型が心血管死の危険因子であることを報告した。また、本研究では、大動脈縮窄術による圧負荷に対して、野生型に比べてNPHP4ノックアウトマウスはミトコンドリア機能が悪化し、心機能や予後が悪化することを示した。更に、NPHP4はユビキチン転移酵素ITCHと相互作用し、Hippo経路やInsulin経路を調節することを示した。以上の知見を踏まえ、NPHP4の遺伝子検査が将来の心疾患発症予測につながる可能性が示唆された。今後、NPHP4に対して治療介入することで心疾患発症を予防できるか追加検討が必要である。
|