研究課題/領域番号 |
20K08474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
南野 哲男 香川大学, 医学部, 教授 (30379234)
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研究分担者 |
松永 圭司 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (70791052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 家族性高コレステロール血症 / 小児生活習慣病予防健診 / 遺伝学的検査 / リバースカスケード |
研究開始時の研究の概要 |
家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia: FH)患者は、生下時より高LDL-C血症を呈し、無治療では80%以上が冠動脈疾患に罹患し、平均15年短命である。また、診断率は1%未満と極めて低い。10歳頃から急速に動脈硬化が進行するが、治療により、進行の抑制が可能であるため、小児期におけるFHの早期診断・早期治療が重要である。さらに、LDL-C高値の小児からFHを見分けるための適切な診断基準がない。 本研究の目的は、健診でみつかるLDL-C高値の小学生からFHを見分ける診断基準作成のために必要な科学的エビデンスの集積を図り、診断基準を作成することである。
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研究実績の概要 |
家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia: FH)は、low density lipoprotein (LDL) 受容体関連遺伝子の変異による常染色体遺伝性疾患である。FHヘテロ接合体患者は約300人に1人の高い頻度で認められるが、生下時より著明な高LDL-C 血症により、無治療の場合は男性で50歳までに50%、女性で60歳までに30%が心筋梗塞を発症する。一方、治療により心筋梗塞発症のリスクを80%低下させることが可能であるため、10歳前後でのFH早期診断が推奨されている。 香川県では、県下全17市町において同一のプロトコルで小児生活習慣病予防健診が実施されている。本健診では、毎年、小学 4 年生(約8,000 名、実施率90%以上)を対象として、LDL-Cを含む血液検査が行われ、小児を対象とした世界最大規模の脂質ユニバーサルスクリーニングが実現している。私たちは、本健診においてLDL-C高値を示した小児を対象に、地方自治体、医師会、大学・基幹病院が地域一体となり、FHの早期診断と継続的支援のための保健と医療の連携体制を構築した(Matsunaga K et al. J Atheroscler Thromb. 2022)。その結果、2023年3月までに、90名の小児FH患者を診断した(疑い症例も含む))。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
私たちは、小児生活習慣病予防健診においてLDL-C高値を示した小児を対象に、地方自治体、医師会、大学・基幹病院が地域一体となり、FHの早期診断と継続的 支援のための保健と医療の連携体制を構築した。その結果、2021年11月までに、63名の小児FH患者を診断した。また、遺伝子変異を有する小児FHのいずれかの親が必ずFHであることを利用したリバースカスケードスクリーニングを実施し、98人の成人FH症例を診断し た。しかし、コロナ渦などによる受診控えが生じたため、登録症例数の増加ペースが減少した。
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今後の研究の推進方策 |
私たちは、小児生活習慣病予防健診においてLDL-C高値を示した小児を対象に、地方自治体、医師会、大学・基幹病院が地域一体となり、FHの早期診断と継続的 支援のための保健と医療の連携体制をさらに改善し、小児ならびに成人のFHの診断を加速させる。
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