研究課題
基盤研究(C)
難治性疾患の代表である心アミロイドーシスは、近年の研究の進歩により“進行抑制”や“根治”が可能な疾患に変貌しつつある。しかしながらその早期診断は現時点でも難しいと言わざるを得ない。我々は、アミロイドの沈着を早期の段階から継時的に観察可能な特異的病態であるドミノ肝移植のレシピエントに注目し、心機能やアミロイド沈着の有無をマルチモダリティで解析することにより、心アミロイドーシスの早期診断法開発をめざす。
本研究では、DOMINO肝移植後の症例において左室心基部のlongitudinal strainが低下すること、この現象が一般的なATTR型心アミロイドーシス症例においても認められ、いわゆる左室Apical sparing現象が、ATTR型心アミロイドーシスの診断に有用であることを報告していた。本年度にはこの検討を進めて、左室Apical sparing現象の有用性ならびにその限界について検討を行った。具体的には、左室Apical sparing現象の有無による臨床背景の違い、ならびに左室Apical sparing現象の経時的な変化を、「Time-dependent change of relative apical longitudinal strain index in patients with wild-type transthyretin amyloid cardiomyopathy」という題名でInt J Cardiol Heart and Vasc誌に1st authorとして報告した。また、第87回日本循環器学会学術集会シンポジウムにおいても同様の内容を「The clinical significance of left ventricular apical sparing in wild type transthyretin amyloid cardiomyopathy」という題名で報告した。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の計画であったDomino肝移植症例における微細な心機能評価は既に報告済みであり、現在は、心アミロイドーシス症例における更に詳細な検討を行っている状況であり、計画は当初の計画以上に進展していると考えている。
今後は野生型ATTR型心アミロイドーシスのみでなく、遺伝子変異型心アミロイドーシスやAL型心アミロイドーシスにおいて、微細な心機能評価がその予後予測や診断に有用かどうかの検討を行っていく。
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