研究課題/領域番号 |
20K08477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
宮田 昌明 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00347113)
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研究分担者 |
池田 義之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (00573023)
大石 充 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50335345)
桶谷 直也 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70598010)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 急性心筋梗塞 / 歯周病 / 口腔内細菌叢 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
①急性心筋梗塞患者において口腔内細菌叢(歯周病菌)と腸内細菌叢のクロストークを検討し、炎症性サイトカインや活性化マクロファージの指標である可溶性葉酸受容体β(FRβ)や血管機能との関連を横断的研究で検討する。 ②上記①の急性心筋梗塞患者において歯周病治療あるいは整腸剤におる腸内細菌叢介入を行い、8か月後に歯周病菌と腸内細菌叢検査、冠動脈造影検査、血管機能検査、炎症性サイトカインや可溶性FR-βを再測定して治療介入の効果を前向き研究で検討する。 ③動脈硬化モデルマウスのアポ蛋白E欠損マウスに歯周病菌を口腔感染させ、動脈硬化進展への影響を検討するとともに腸内細菌叢介入の効果を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、急性心筋梗塞における口腔細菌叢と腸内細菌叢のクロストークを検討し、動脈硬化との関連を明らかにし、さらに歯周病治療や腸内細菌叢介入の治療効果を検討し、新規治療法の開発を目指すことにある。 急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠動脈疾患で冠動脈形成術を施行した患者54名において、歯科医による歯磨きや歯周病ケアなどの口腔ケアを8か月間実施し、発症直後と8か月後の歯周病などの口腔内状態と血管内皮機能との関連を検討した前向き研究の結果、口腔ケアを行ったにもかかわらず、歯周ポケット6mm以上重症歯周病患者では8か月後の血管内皮機能が増悪することが示唆された。International Heart Journalに論文投稿し、論文受理され、公表待ちである。 急性心筋梗塞における口腔細菌叢と腸内細菌叢のクロストークを検討し、動脈硬化との関連を明らかにする臨床研究に関しては、鹿児島大学病院に入院した37名の急性心筋梗塞患者の入院時の唾液と便を採取し、ビケンに検体を送付し、遺伝子解析による口腔細菌叢と腸内細菌叢の結果を得た。現在、口腔細菌叢と腸内細菌叢との相関、急性心筋梗塞の病態との関連を検討中である。 当初の研究期間は2020年から本年度2022年度までであったが、新型コロナウイルス感染症の影響があり、当初は臨床研究そのものが困難な時期もあり、臨床研究に遅延を生じたものの上記のように現在、急性心筋梗塞における口腔細菌叢と腸内細菌叢のクロストークのデータ解析中であり、2024年度まで期間延長を申請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
急性心筋梗塞患者の口腔細菌叢と腸内細菌叢のクロストークの研究を行うべく、鹿児島大学の倫理委員会に研究申請して、承認された。しかし、当初予定していた整腸剤であるミヤB細粒による腸内細菌叢介入試験に関しては、胃腸症状のない人への投与が問題になり、胃腸症状のある症例において、ミヤB細粒投与による変化をみる観察研究とした。また、歯周病は当初より、歯周病のある患者での歯周病治療希望者において歯周病治療を行い、歯周病治療を希望しない群との比較とした。 急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠動脈疾患で冠動脈形成術を施行した患者54名において、歯科医による歯磨きや歯周病ケアなどの口腔ケアを8か月間実施し、発症直後と8か月後の歯周病などの口腔内状態と血管内皮機能との関連を検討した前向き研究の結果をまとめ、International Heart Journalに論文投稿し、論文受理され、公表待ちである。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響があり、当初は臨床研究そのものが困難な時期もあり、その後は、新型コロナ患者受け入れや院内感染などで急性心筋梗塞患者などの急患の受け入れを制限する時期もあり、急性心筋梗塞患者数が少なくなった。そのような困難な状況においても鹿児島大学病院心臓血管内科学の医師に加え、救急病棟やICUの看護師の協力も得て、急性心筋梗塞患者37名の唾液と便を採取して、遺伝子解析による口腔細菌叢と腸内細菌叢のクロストークの研究を進めている。 また、動物実験に関しては、鹿児島大学に異動したことにより、動物研究が行いやすくなることが期待されたが、鹿児島大学医学部内にある動物実感施設の建て替え工事が始まり、動物実験研究が行えない状況にあったが、動物実験施設の工事が終了し、動物実験を再開できるようになり、実験に使うために動脈硬化マウスモデルであるアポ蛋白E欠損マウスを繁殖している。
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今後の研究の推進方策 |
急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠動脈疾患で冠動脈形成術を施行した患者54名において、歯科医による歯磨きや歯周病ケアなどの口腔ケアを8か月間実施し、発症直後と8か月後の歯周病などの口腔内状態と血管内皮機能との関連を検討した前向き研究の結果をまとめ、International Heart Journalに論文投稿し、論文受理され、公表待ちである。 急性心筋梗塞における口腔細菌叢と腸内細菌叢のクロストークの研究は、37名の口腔細菌叢と腸内細菌叢との相関、急性心筋梗塞の病態、炎症性サイトカインや活性化マクロファージの指標である可溶性葉酸受容体β(FRβ)や血管機能との関連を横断的研究で検討し、動脈硬化との関連を明らかにする。 さらに、急性心筋梗塞患者において歯周病治療や腸整剤投与による治療を行った患者では、9か月後に歯周病菌と腸内細菌叢検査、冠動脈造影検査、血管機能検査、炎症性サイトカインや可溶性FR-βを再測定して治療の効果を前向き研究で検討する。歯周病の検査や治療は、鹿児島大学病院顎顔面外科に依頼して行う。 動物実験に関しては、動物実験施設の工事が終了し、動物実験を再開できるようになり、実験に使うために動脈硬化マウスモデルであるアポ蛋白E欠損マウスを繁殖している。
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